[JRS-15] Development of high-strength polylactic acid biodegradable plastic by mixing vegetable powder
全世界で廃プラスチックの約80%がリサイクルではなく埋め立て処分や海洋投棄などが行われており,深刻な環境汚染を招いている.プラスチックの環境への影響を低減する方法として,通常のプラスチックとは異なり,自然に分解され,廃棄物の問題が発生しにくい生分解性プラスチックの活用は有効と考えられる.これらのプラスチックは環境保全的には有効であるが,コストと強度の点でいくつかの問題があり,あまり実用化は進んでいないのが現状である.また,生分解性プラスチックとして代表的なポリ乳酸自体では十分な強度を得ることが難しいことなども問題点として挙げられる.このような背景のもと,本研究では日常の使用に耐えるだけの丈夫な生分解性プラスチックを開発することを目的に,植物性粉末とポリ乳酸を混合することで生分解性プラスチックの強度を高めることができると仮定し,安定したポリ乳酸サンプルを得るのに適した条件を探索した.これまでのところ,サンプル製作時の加熱温度や植物性粉末の混入量などに関して最適な条件が定まり,常温では安定したサンプルが得られるようになった.しかしながら,夏場の高温・高湿度環境での安定性には課題があることがわかってきた.引き続き本研究では,植物性粉末の混合方法などを工夫し,安定したサンプルの製作方法を検討する予定である.