第95回日本細菌学会総会

講演情報

オンデマンド口頭発表

[ODP14] 3. 生理・構造-e. 分泌と輸送

[ODP-067] 部位特異的in vivo光架橋法によるBamA相互作用地図の作製

丸野 友希1,2,Edward Germany1,塩田 拓也1 (1宮崎大・テニュアトラック,2宮崎大・農・応用生物科学)


大腸菌の外膜には様々なβバレル型の膜タンパク質が存在している.これらのβバレル型タンパク質は,β barrel assembly machinery(BAM)複合体によって正しい立体構造に折りたたまれ,膜に挿入される.BAM複合体はBamA, B, C, D, Eの5つのサブユニットから構成されている.近年,BAM複合体は複数の構造が報告されているが,生体内ではどのような状態をとっているか不明な点が多い.そこで,BAM複合体の必須サブユニットであり,中心的な役割を担っているBamAについて部位特異的in vivo光架橋実験を行った.部位特異的光架橋実験法は非天然アミノ酸であるパラベンゾイルフェニルアラニン(pBPA)をBamAの任意の部位に組み込み,紫外線を照射することによって近傍のタンパク質と間に形成される架橋産物からアミノ酸残基レベルの分解能で相互作用を解析できる手法である.この手法を用いて,BamAの分子全体と他の4つのサブユニットの相互作用位置を明らかにした.今回は特に役割の分かっていないBamCを中心に生体内の分子機構について議論したい.