[ODP-095] Metabolic engineering of Clostridium perfringens for fermentation of xylose and cellobiose
【目的】ウェルシュ菌は,現在知られている細菌のなかで最も速い増殖速度を示す菌の一種であり,偏性嫌気性菌ながら比較的aerotolerantな細菌である.旺盛な有機物分解能を有し,特に糖の代謝に伴い大量の水素を生産するが,ヘミセルロース/セルロース資化性は有していない.本研究では,ウェルシュ菌にキシロース及びセロビオース利用能を付与することを試みた.
【方法・結果】キシロース代謝能を付与するために,C. beijerinckiiのキシロース利用オペロンをコードしていると考えられる遺伝子(xylFGHAB)をウェルシュ菌13株のθ毒素をコードするpfoAと置換した.得られた組換え菌をキシロース含有培地で増殖させた結果,野生株と比較して増殖及びガス産生量共に大きく向上した.また,セロビオース代謝能を付与するために,C. acetobutylicumからPEP-PTSのEnzyme II及び菌体内β-glucosidaseをコードしていると考えられるオペロンCel-EII-bgl(licA-licB-bgl-licC)を発現プラスミドpCC13にクローニングした.当研究室で開発したウェルシュ菌mT7VI株を形質転換し,セロビオース含有培地で増殖試験を行った結果,0.1% キシロース添加によりCel-EII-bglの発現を誘導した場合,非誘導時と比較して増殖が有意に改善した.次に,ウェルシュ菌13株のL-乳酸デヒドロゲナーゼをコードするldhとCel-EII-bglをゲノム編集により置換した株を構築した.同様に,機能未知の180 kDa分泌タンパク質をコードするCPE1281遺伝子座と置換した株も構築した.これらの置換株の増殖試験をセロビオース含有培地で行った結果,野生株のウェルシュ菌13株と比較して,若干の増殖改善効果が認められた.