[PS2-2] 食・腸内微生物による免疫調節
新興感染症により人々のくらしは大きな影響を受けており,免疫機能の重要性が再認識されている.アレルギー・腸炎など炎症性疾患の急増も従前より世界的な課題となっており,腸内微生物や食品微生物による免疫機能の調節効果に大きな関心と期待が寄せられている.我々はin vitro試験系として樹状細胞,腸上皮細胞を用いた免疫賦活効果の評価方法を用いて乳酸菌の選抜や免疫活性化メカニズムの解明に取り組んできており,その有用性について述べる.個体が有する免疫機能を統合的に評価する(in vivo試験)においては,腸内細菌叢の再現性・均一性を備えたヒト腸内フローラマウスを確立し,食品・医薬品評価における前臨床試験に活用することを提唱してきている.日本人のアレルギー疾患リスクと腸内細菌叢の関係を再現したヒト腸内フローラマウスの構築を目的として行ったプロジェクトから,アレルギー有疾患(アトピー性皮膚炎)の被験者由来便サンプルを用いて作成したヒト腸内フローラマウスの特性について紹介する.