第95回日本細菌学会総会

講演情報

共催企業ウェビナー

[SW1] 共催企業ウェビナー1

2022年3月29日(火) 12:00 〜 13:00 チャンネル2

座長:金子 拓也(栄研化学株式会社),小岩井 成貴(栄研化学株式会社),副島 隆浩(栄研化学株式会社)

共催:栄研化学株式会社

[SW1] LAMP (Loop-mediated isothermal amplification) 法の原理と活用事例

金子 拓也,小岩井 成貴,副島 隆浩 (栄研化学株式会社)

LAMP (Loop-mediated isothermal amplification) 法は栄研化学が独自に開発した遺伝子増幅技術である.
LAMP法では標的遺伝子の6領域に対して4種類のプライマーを設計する.また鎖置換活性を持つDNA合成酵素を用いることで,鋳型2本鎖DNAの1本鎖への変性ステップを含め,増幅/検出のすべての反応を等温で行うことができる.鋳型がRNAでも逆転写酵素を添加することで1ステップ,等温での増幅が可能である.本増幅原理により,高い特異性と迅速な標的遺伝子の検出が可能となっている.
LAMP法による遺伝子増幅を成功させるための条件の一つに,最適なプライマー設計が挙げられる.このプライマー設計において,栄研化学ではPrimerExplorer® (http://primerexplorer.jp/) というLAMP法専用のプライマー設計支援ソフトを無償で利用できるようWeb上でサービスを提供している.LAMP法ではPCR法に比較してプライマー領域が多いため,ターゲットに変異が多い場合には,変異を避けたプライマー設計が難しくなる.そこで,遺伝子増幅に影響の少ない変異を許容するための,共通検出用プライマーの設計にもPrimerExplorer®は対応している.また同ソフトは,特定の変異を検出するために,伸長末端に必ず変異を持たせる特異的検出用プライマーの設計も可能であり,LAMP法を活用する上での強力なツールとなっている.
LAMP法が2000年5月に技術公開されてから既に20年以上を経過する中で,本増幅原理の特徴を活かした応用方法の検討が,さまざまな国の多くの研究者によってなされてきた.本講演ではLAMP法の原理を中心に,その活用例について紹介を行う.