沿岸環境

[II-197] 熱水流動-地球化学連成解析による海底熱水鉱床の形成シミュレーション

*藤田 クラウディア¹、山本 肇¹、石橋 純一郎²、辻 健³ (1. 大成建設株式会社技術センター社会基盤技術研究部、2. 九州大学大学院理学研究院、3. 九州大学大学院工学研究院)

キーワード：海底熱水鉱床、対流、TOUGHREACT、熱水流動-地球化学連成解析

海底熱水鉱床ではマグマ活動のある海底下深部において300℃以上の熱水が亀裂などを通し、海底面近辺で噴出している。その周辺では熱水と海水の混合あるいは冷却に伴う化学反応が生じ、熱水性沈殿物が生成される。本研究では，熱水・海水の対流と地球化学反応を連成した数値解析を実施し，海底熱水鉱床の形成過程を調べた．その結果、次のようなことが分かった。熱水通路周辺の高温域での上昇流に伴い，海底面から海水が浸透する対流が起こり，熱水と海水の混合フロントで鉱物の生成が進む．互層構造のうち浸透率が高い層において，熱水の側方への流れが生じ，それに伴って鉱物の沈殿域が側方に伸びる．