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[2A28-33-05] き裂による散乱波の反響環境下での時間反転集束
キーワード:時間反転集束、超音波、散乱波、き裂
本研究は,計測で得た超音波波形を用い,き裂散乱波の時間反転集束挙動について調べたものである.実験では,多重反射による反響効果が著しい場をT継手を模擬した試験体に励起して超音波エコー計測を行った.計測は模擬き裂を含む試験体と含まない試験体の両方で行い,得られた波形を時間反転して差分解析モデルに入力することで,供試体内部の散乱波動場を再構成した.その結果,散乱波の発生源であるき裂側面やコーナー部分に集束する明らかな散乱波成分が得られ,時間反転法を用いることで超音波非破壊検査に有用な情報を,反響環境下においても観測波形から抽出できる可能性を示した.