第26回応用力学シンポジウム

講演情報

一般セッション

一般セッション(第五部門:応用数理問題―計算機科学から社会科学まで)

第5部門②

2023年5月28日(日) 10:10 〜 11:40 D会場 (6号館 3階 6309室)

座長:古川 愛子(京都大学)

11:10 〜 11:25

[24007-12-05] 振幅依存性剛性低下とVBI効果を分離可能なひび割れPRC桁の固有振動数同定法(シンポジウム講演概要)

*井田 直宏1、松岡 弘大2、貝戸 清之1 (1. 大阪大学大学院、2. 公益財団法人鉄道総合技術研究所)

キーワード:固有振動数、PRC桁、ひび割れ開閉、VBI効果

高速鉄道橋の桁の剛性低下判定手法として,列車通過時の波形から瞬間的な固有振動数の同定を可能としたBayesian TV-ARX法が提案されている.一方で,固有振動数の瞬間的な低下挙動を推定できるが,固有振動数の低下に影響する,ひび割れに基づく効果と車両との相互作用(VBI)による効果を分離できないという課題があった. 本研究では,列車通過時の固有振動数の時間的な変動におけるひび割れ開閉による振幅依存効果と車両との相互作用依存効果を分離して同定することを目的とし,これまでランダムウォーク過程としてモデル化されていたAR係数の時間的変動に関数を導入したTVF-ARXとしてモデルを再定式化し,提案手法の妥当性を検証した.複数の数値検証の結果,列車通過維持の固有振動数の瞬時低下を高精度に推定することができ,各項の事後分布により二つの効果を分離可能であることが示された.