上野 直人1, 下村 昭彦2 (1.テキサス大学MDアンダーソンがんセンター, 2.国立国際医療研究センター病院 がん総合診療センター 乳腺・腫瘍内科)
セッション情報
パネルディスカッション
パネルディスカッション3
「患者力」を引き出すために医療者ができること
2020年2月23日(日) 12:45 〜 14:15 第3会場 (東京国際フォーラム ホールB5)
座長:渡邊 知映(上智大学),海津 未希子(慶應義塾大学大学院、みその生活支援クリニック)
「患者力」とは、自分の病気や治療を医療者任せにせず、自分事として受け止め、知識を習得したり、医療者側と十分なコミュニケ―ションを通じて信頼関係を築こうとする能力である。
がん診療を取り巻く環境においては、インフォームドコンセント(IC)からシェアード・ディシジョンメイキング(SDM)、そしてアドバンス・ケア・プランニング(SDM)(ACP)といった患者と医療者の協働コミュニケーションの変化が起こっている。その一方で、患者が主体的に自分の治療に向き合うためには、患者の能力・意欲にゆだねるのではなく、医療者は個々の患者の「患者力」を引き出し育む必要がある。
本企画では、まずテキサス大学MDアンダーソンがんセンター腫瘍内科医の上野直人氏より、「なぜ今、がん診療の現場において患者エンパワメントが重要なのか」について米国でのアプローチの実際も含めてご講演いただく。
下村氏からは、医師の立場から患者力を引き出すために何ができるのかについてご講演いただいたうえで、「患者エンパワメントプロジェクト」の活動についてご紹介いただく。
平岡氏からは治療方針の意思決定のプロセスにおける患者力を引きだすアプローチについて、遠藤氏からは薬物療法を継続するための患者力の活用について看護師の立場から実際の事例をもとに、看護職の役割について考察いただく。
そのうえで、患者と医療者の協働コミュニケーションの中で、患者力を引き出し育むために医療者に必要なスキルと課題についてディスカッションを通して検討する。
○平岡 菜穂子 (国立がん研究センター中央病院 臨床研究コーディネーター)
○遠藤 久美 (静岡県立静岡がんセンター)