日本発達心理学会 第26回大会

講演情報

招待講演

幼児期における効果的な教育学と言語・数の発達に長期的に与える影響について

2015年3月20日(金) 12:30 〜 14:30 伊藤謝恩ホール (伊藤国際学術研究センター)

Iram Siraj-Blatchford(講演者)

12:30 〜 14:30

[IL1] 幼児期における効果的な教育学と言語・数の発達に長期的に与える影響について

Siraj-Blatchford Iram1,門田理世2 (1.ロンドン大学教育学研究所, 2.西南学院大学)

本基調講演では、全英で行われた縦断研究、とりわけ効果的な就学前ならびに初等中等教育の縦断研究(EPPSE3-16)の調査結果を用いながら、乳幼児期の経験が生涯にわたる子ども達の幸せと発達を支えるものであることについてお話したいと思います。
講演では家族、保育の質、家庭環境、小学校の影響についても触れますが、これらの経験がいかに絡み合って乳幼児期及びそれ以降の学びの支えや妨げになっているかについても見ていきたいと思います。
EPPSE研究では、約3000人の子ども達を3歳から追い続け、その学力及び社会性・社会行動を形成する要因を突き止めようと追跡調査を行っています。よい保育は全ての子どもに恩恵を与えますが、質の高い保育はとりわけ特別な配慮を必要とする子ども、母親の育児・教育力が低く、知的刺激の少ない家庭環境で育った子どもにとって重要な意味を持ってきます。この研究結果から、乳幼児期の経験の重要性と家庭、保育、学校の力強い関係性が子ども達の学びを向上させることがわかっています。つまり、この研究は乳幼児期における投資の重要性を明確に証明しているわけですが、とりわけ、恵まれない子ども達や質の低い小学校教育を受けることになる子ども達に対する支援が不可欠であることを示しています。
更に、この研究では乳幼児期の経験、特に3-4歳における家庭環境と保育の質の持続性についても面白い知見を得ています。また、小学校への就学が与える学習効果への重要性も示唆しています。



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