日本食品科学工学会第71回大会

講演情報

一般講演

A 食品成分,食品分析(Food Ingredients, Food Analysis)

[2Dp] 食品分析

2024年8月30日(金) 15:00 〜 18:00 D会場 (3F N324)

座長:前田 竜郎(帝京平成大学)、飯島 陽子(工学院大学)、加藤 悦子(東洋大学)

15:00 〜 15:15

[2Dp-01] ノンターゲティングオミクスによる緑茶のにおいの網羅的解析と新規化合物探索

*磯谷 俊太朗1、田中 理祥2、山本(前田) 万里3、荒木 徹也2、前田 竜郎1 (1. 帝平大・院・健康栄養、2. 東京大・院・農学国際、3. 農研機構食品研究部門)

キーワード:ノンターゲティングオミクス、包括的二次元ガスクロマトグラフィー、緑茶、新規化合物

【目的】
 食品中に含まれているにおい成分や呈味成分を網羅的に分析し、食品の美味しさ,品質や製造工程で作られる生成物などを調べる客観的な評価手法としてメタボロミクス技術が活用されている。緑茶は現在120以上の品種が登録されており、それぞれが特有のにおい・味を有している。緑茶のにおいについて従来のGC-MSで分析を行った研究により、600以上の成分が同定されている。また、中国緑茶についてGC×GC-TOFMSを用いて分析を行った研究が報告されている。しかし、日本の緑茶のにおいについて包括的な分析はこれまで行われていない。本研究の目的は、緑茶に含まれるにおいを網羅的に分析し、緑茶のにおいプロファイルを解明するとともに、新規化合物を探索することである。

【方法】
 分析試料は日本の緑茶を対象とし、24品種を選定した。試料3gに熱湯100mLを注ぎ5分静置後、茶漉しで茶葉を取り除いた。20mLガラスバイアルに100μL密閉し、分析に供した。においの捕獲はMPS Robotic Proを用いて、FEDHS法により行った。捕獲した成分をPegasus BT-4D GC×GC-TOFMSに注入し、第1次カラムはInertCap Pure-WAX、第2次カラムはInertCap 5MSを用いて2次元分離した。得られたピークからChromaTOFソフトウエアを用いたデコンボリューションによるピーク検出、NISTおよびWileyによるライブラリー検索を行った。その後、ChromaTOF Tileソフトウエアを用いてアライメントを行い、データマトリックスを作成した。データ解析はJMPpro17を用いて多変量解析を行った。

【結果】
 ノンターゲティングオミクスによる網羅的分析法と多変量解析を組み合わせた手法により、緑茶に含まれるにおいを包括的に分析し、緑茶のにおいプロファイルを明らかにした。