17:00 〜 17:15
[2Dp-09] ショ糖及び乳糖の酵素法による新規比色測定キットの開発
キーワード:ショ糖、乳糖、酵素法、比色定量、測定キット
【目的】ショ糖及び乳糖の測定はHPLCによる方法が一般的であるが,HPLC法は煩雑な前処理を要し,単項目について多数の試料を測定する手段としては向いていない.酵素法による用手法測定キットも市販されているが,ある程度の熟練を要する専門的なキットであり,食品を扱う現場ではより安価で簡便な測定方法が求められている.本研究では,試料中の共存グルコースの影響を受けず,加温を必要としない,ショ糖及び乳糖を直接測定することができる簡便な比色測定キットの開発を目指した.
【方法】ショ糖及び乳糖の各キットは,試料に2種類の試薬溶液(A液,B液)を室温で10分ずつ反応させることにより,糖濃度に比例する発色のエンドポイントを測定する方法となるように構築した.A液で試料に共存するグルコースとアスコルビン酸の影響を除去した.続いてB液で,ショ糖はインベルターゼ,乳糖はβ-ガラクトシダーゼにより加水分解し,生成するグルコースをムタロターゼ存在下,グルコースオキシダーゼにより速やかに酸化した.同時にカタラーゼ阻害下で,酸化反応に伴い生成する過酸化水素をペルオキシダーゼ,カプラー化合物及びトリンダー試薬による発色反応に導くことにより,比色法によるショ糖及び乳糖の測定方法を確立した.各々の測定キットついて,試薬溶液の安定性等の検討,食品中のショ糖及び乳糖の既存の酵素法キットによる測定値との比較を行い,キットとしての信頼性を評価した.
【結果】ショ糖及び乳糖の両キットとも,10~600 mg/Lの範囲で定量可能であること,室温でB液添加後10分以内に発色反応が完了することを確認した.また,両キットとも高い基質特異性を示し,28℃で8週間以上安定であった.さらに,果物・飲料に含まれるショ糖及び乳製品に含まれる乳糖について,本法の各測定キットと既存法キットによる測定値を比較したところ,強い相関が認められた.
【方法】ショ糖及び乳糖の各キットは,試料に2種類の試薬溶液(A液,B液)を室温で10分ずつ反応させることにより,糖濃度に比例する発色のエンドポイントを測定する方法となるように構築した.A液で試料に共存するグルコースとアスコルビン酸の影響を除去した.続いてB液で,ショ糖はインベルターゼ,乳糖はβ-ガラクトシダーゼにより加水分解し,生成するグルコースをムタロターゼ存在下,グルコースオキシダーゼにより速やかに酸化した.同時にカタラーゼ阻害下で,酸化反応に伴い生成する過酸化水素をペルオキシダーゼ,カプラー化合物及びトリンダー試薬による発色反応に導くことにより,比色法によるショ糖及び乳糖の測定方法を確立した.各々の測定キットついて,試薬溶液の安定性等の検討,食品中のショ糖及び乳糖の既存の酵素法キットによる測定値との比較を行い,キットとしての信頼性を評価した.
【結果】ショ糖及び乳糖の両キットとも,10~600 mg/Lの範囲で定量可能であること,室温でB液添加後10分以内に発色反応が完了することを確認した.また,両キットとも高い基質特異性を示し,28℃で8週間以上安定であった.さらに,果物・飲料に含まれるショ糖及び乳製品に含まれる乳糖について,本法の各測定キットと既存法キットによる測定値を比較したところ,強い相関が認められた.