3:00 PM - 3:15 PM
[2Ep-01] A study on cell fusion induced by green tea polyphenol EGCg
Keywords:Green tea, Polyphenols, Cell fusion
【目的】緑茶はアジアを中心に広い地域で親しまれており,様々な健康増進作用が注目されてきた.緑茶に含まれるカテキン類は,骨吸収を担う破骨細胞の分化を抑制し,ヒトに対する抗骨粗鬆症効果が期待されている.一方で,緑茶カテキンは破骨細胞成熟に必須の細胞融合を促進し,その作用については不明な点も存在する.本研究は,緑茶カテキンによる細胞融合作用に関与する因子を明らかにすることを目的とした.
【方法】代表的な緑茶カテキンの1つであるエピガロカテキンガレート(EGCg)を試料として用いた.破骨前駆細胞であるRAW264.7細胞を播種し,試料を添加し37℃のインキュベーター中で培養した.未処理群あるいは破骨細胞分化誘導群を比較対象として,多核細胞数を計測した.破骨細胞分化は,分化指標であるTRAPの染色により評価した.遺伝子発現解析は,細胞からRNAを抽出しreal-time PCRによって定量した.
【結果】EGCg添加によってTRAP陰性の細胞融合が有意に促進され,その際に細胞内の活性酸素(ROS)レベルの上昇が伴った.EGCgと同時に抗酸化物質を添加した際に細胞融合が抑制されたことから,EGCgはROSの産生を介して細胞融合を促進していることが示唆された.細胞融合関連遺伝子であるDC-STAMP発現量は,未処理群と比較してEGCg添加により上昇し,抗酸化物質の同時添加により抑制された.骨吸収関連遺伝子のNFATc1とTRAPに関しては,EGCg添加による発現上昇は認められなかった.以上のことから,EGCgはROSを介して細胞融合を促進する一方で,骨吸収経路には影響を及ぼさない可能性が示唆された.
【方法】代表的な緑茶カテキンの1つであるエピガロカテキンガレート(EGCg)を試料として用いた.破骨前駆細胞であるRAW264.7細胞を播種し,試料を添加し37℃のインキュベーター中で培養した.未処理群あるいは破骨細胞分化誘導群を比較対象として,多核細胞数を計測した.破骨細胞分化は,分化指標であるTRAPの染色により評価した.遺伝子発現解析は,細胞からRNAを抽出しreal-time PCRによって定量した.
【結果】EGCg添加によってTRAP陰性の細胞融合が有意に促進され,その際に細胞内の活性酸素(ROS)レベルの上昇が伴った.EGCgと同時に抗酸化物質を添加した際に細胞融合が抑制されたことから,EGCgはROSの産生を介して細胞融合を促進していることが示唆された.細胞融合関連遺伝子であるDC-STAMP発現量は,未処理群と比較してEGCg添加により上昇し,抗酸化物質の同時添加により抑制された.骨吸収関連遺伝子のNFATc1とTRAPに関しては,EGCg添加による発現上昇は認められなかった.以上のことから,EGCgはROSを介して細胞融合を促進する一方で,骨吸収経路には影響を及ぼさない可能性が示唆された.