15:45 〜 16:00
[2Ip-04] 真空包装後の加熱処理がマダイ肉のテクスチャーおよびタンパク質特性変化に及ぼす影響
キーワード:マダイ、真空包装、テクスチャー
【目的】真空包装後の加熱がマダイ肉のテクスチャーおよびタンパク質特性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.
【方法】[試料調製] 養殖マダイ3尾を用いた.2cm厚の切身にした後,試料を真空包装なし(真空なし)あるいは真空包装あり(真空度99.9%,60秒間,真空あり)に分け,スチームコンベクションを用いて85℃90secあるいは63℃30min(HTSTあるいはLTLT)で加熱した.[水分含量] 常圧加熱乾燥法により測定した.[テクスチャー解析およびサンプル厚] テンシプレッサーで測定した.[示差走査熱量測定]DSCで測定した.[筋線維の観察]SEMにより観察した.
【結果】[水分含量]生試料と比較して,真空あり・LTLTでは有意差が認められなかったものの,他の条件では有意に減少した.[テクスチャー解析およびサンプル厚]かたさ,もろさは真空包装の有無および加熱条件いずれの影響も受けなかったものの,凝集性および付着性は一部で有意差が認められた(P<0.05).サンプル厚は, 真空なし・LTLTと比較して,他の条件で有意に収縮した(P<0.05).[示差走査熱量測定]ミオシンは,すべての加熱試料においてほとんど変性していた一方,アクチンは,真空包装の有無にかかわらず,HTSTでは変性が完了していたものの,LTLTでは未変性部分が残存していた.[筋線維の観察]いずれの加熱条件においても,真空なしと比較して真空ありでは筋線維束間の間隙領域が少なく,密な構造をとっていた.
以上より,マダイ肉を真空包装後に加熱することによるテクスチャー変化には,加熱によるタンパク質の熱変性と真空包装による物理的圧迫が複合的に関与していると推察され,このことが,真空包装による水分保持効果にも影響していると推察された.
【方法】[試料調製] 養殖マダイ3尾を用いた.2cm厚の切身にした後,試料を真空包装なし(真空なし)あるいは真空包装あり(真空度99.9%,60秒間,真空あり)に分け,スチームコンベクションを用いて85℃90secあるいは63℃30min(HTSTあるいはLTLT)で加熱した.[水分含量] 常圧加熱乾燥法により測定した.[テクスチャー解析およびサンプル厚] テンシプレッサーで測定した.[示差走査熱量測定]DSCで測定した.[筋線維の観察]SEMにより観察した.
【結果】[水分含量]生試料と比較して,真空あり・LTLTでは有意差が認められなかったものの,他の条件では有意に減少した.[テクスチャー解析およびサンプル厚]かたさ,もろさは真空包装の有無および加熱条件いずれの影響も受けなかったものの,凝集性および付着性は一部で有意差が認められた(P<0.05).サンプル厚は, 真空なし・LTLTと比較して,他の条件で有意に収縮した(P<0.05).[示差走査熱量測定]ミオシンは,すべての加熱試料においてほとんど変性していた一方,アクチンは,真空包装の有無にかかわらず,HTSTでは変性が完了していたものの,LTLTでは未変性部分が残存していた.[筋線維の観察]いずれの加熱条件においても,真空なしと比較して真空ありでは筋線維束間の間隙領域が少なく,密な構造をとっていた.
以上より,マダイ肉を真空包装後に加熱することによるテクスチャー変化には,加熱によるタンパク質の熱変性と真空包装による物理的圧迫が複合的に関与していると推察され,このことが,真空包装による水分保持効果にも影響していると推察された.