The 71th Annual Meeting of JSFST

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Oral presentation

C 農畜水産物とその加工品 (Agricultural product, Livestock product, Seafood, and their processed products)

[2Ip] Seafood, Food system, Agricultural diversification, Other food products

Fri. Aug 30, 2024 3:00 PM - 5:45 PM Room I (3F N302)

Chair:Toshiki Enomoto, Teppei Imaizumi

5:00 PM - 5:15 PM

[2Ip-08] Flavor component profiling analysis to understand the characteristics of soy sauce produced in Hiroshima Prefecture

*Yuri Hisakawa1, Taketo Hirata2, Chikako Sakai3, Tomoko Fujiwara3, Takashi Osaka3, Yabu Hironori3, Ryota Mabuchi1,2 (1. Prefectural University of Hiroshima, Graduate School of Comprehensive Scientific Research, 2. Prefectural University of Hiroshima, Faculty of Bioresource Sciences, 3. Hiroshima Prefectural Technology Research Institute, Food Technology Research Center)

Keywords:metabolomics, soy sauce, GC-MS, flavor, taste

【目的】醤油の品質の一つとして風味は非常に重要である.しかしながら,風味は複数の成分が関与するため,特定の成分に着目せず,網羅的に解析する必要がある.そこで本研究では,網羅的な風味成分解析に最適であるフードメタボロミクス手法を用いて,広島県産醤油と他県産醤油の風味成分プロファイルを比較することで,広島県産醤油の特徴把握を試みた.【方法】本醸造濃口醤油を対象に入手可能な広島県産醤油7種,他県産醤油14種を3本ずつ購入し,分析試料とした.風味成分のうち呈味成分は,水溶性低分子成分を抽出後,オキシムートリメチルシリル誘導体化し,香気成分は,SA-SBSE-LD-LVI法により抽出し,それぞれGC/MSで分析した.成分は網羅的にアノテートし,アノテーション成分のうち,同種醤油3本全てで検出され,かつ全ての試料で検出された成分を抽出し,データ一覧を作成した.また,同試料で官能評価及び味覚センサー測定を行い,その数値もデータ一覧に含めた.データ解析は,SIMCA 13,MetaboAnalyst 6.0,IBM SPSS Statistics 28を使用した.【結果】主成分分析の結果,第1主成分の負の方向に広島県産醤油が位置する傾向が見られた.また,重要度が高い変数(VIP値)を使用し,広島県産醤油と他県産醤油の2群間でOPLS-DAによる判別分析を行ったところ,CV-ANOVAで有意差が認められたことから,これらの成分は,広島県産の特徴的な風味である可能性が示唆された.次に階層的クラスター分析を行ったところ,大きく4つのクラスター(Ⅰ~Ⅳ)に分類され,広島県産醤油は,クラスターⅠとⅡに分かれた.また,ヒートマップを作成し,広島県産醤油に特徴的な風味成分が可視化された.以上,得られたデータは,広島県産醤油の特徴把握及び品質向上・改善の基礎資料となり得る.