16:00 〜 16:15
[2Jp-05] 大豆タンパク質の組織化に関する研究
-AP-SFを基材とした疑似肉調製の可能性-
キーワード:大豆タンパク質、代替肉、大豆7Sグロブリン、ジスルフィド結合、組織化
【目的】牛ミンチパティの食感に類似した植物性の疑似肉創出のため, 大豆粉のホエイ成分を除去した酸性沈殿物(Acid Precipitated-Soy Flour; AP-SF)から調製される加熱ゲル, 特に酸性側のゲルに着目し, 本研究では, 疑似肉の破断荷重において, 加熱ゲルの生地pH並びに大豆中の主なタンパク質組成の関与を解析した. 更に分子間S-S結合に着目した加熱時のゲル化メカニズムの解析を行った.
【方法】大豆粉の水分散液をpH 7.2-7.5, 55℃にてタンパク質を抽出し, pHを4.5-4.7に調整後, 沈殿物としてAP-SFを得た. AP-SFの生地は水分とpHを調整し, その生地を105-130℃ で加熱して冷却後, AP-SFゲルの破断荷重をクリープメーターで測定した. 物性に寄与する大豆タンパク質をAP-SFへ添加してゲルpHと破断荷重への影響を調べた. また, 国内外の大豆栽培品種13種を用いてAP-SFゲルを調製し, 破断荷重とタンパク質組成(グロブリンやLP)の相関係数を求めた. 更に加熱温度とタンパク質の分子間S-S結合との関連性を見るためDTTフリーのSDS-PAGEにより解析した.
【結果】AP-SF生地が3つのpH域Ⅰ(pH 5.0-5.5), Ⅱ(pH 6.0-6.5), Ⅲ(pH 7.0-7.5)において, グロブリン添加による加熱ゲルの破断荷重に及ぼす影響は, pH域Ⅲでは7S, 11Sグロブリンの相乗効果が見られたが, pH域Ⅰでは7Sグロブリンの単独添加の寄与が大きかった. 13品種の原料大豆の主な組成含量とpH域ⅠでのAP-SFゲルの破断荷重との相関係数は, 7Sグロブリンが0.75で最も高かった. ゲル化メカニズムの解明では, α’およびαサブユニット間でS-S結合を形成している7Sグロブリンが加熱中に他のタンパク質成分との間でS-S結合を形成し, 巨大化している可能性が示唆された.
【方法】大豆粉の水分散液をpH 7.2-7.5, 55℃にてタンパク質を抽出し, pHを4.5-4.7に調整後, 沈殿物としてAP-SFを得た. AP-SFの生地は水分とpHを調整し, その生地を105-130℃ で加熱して冷却後, AP-SFゲルの破断荷重をクリープメーターで測定した. 物性に寄与する大豆タンパク質をAP-SFへ添加してゲルpHと破断荷重への影響を調べた. また, 国内外の大豆栽培品種13種を用いてAP-SFゲルを調製し, 破断荷重とタンパク質組成(グロブリンやLP)の相関係数を求めた. 更に加熱温度とタンパク質の分子間S-S結合との関連性を見るためDTTフリーのSDS-PAGEにより解析した.
【結果】AP-SF生地が3つのpH域Ⅰ(pH 5.0-5.5), Ⅱ(pH 6.0-6.5), Ⅲ(pH 7.0-7.5)において, グロブリン添加による加熱ゲルの破断荷重に及ぼす影響は, pH域Ⅲでは7S, 11Sグロブリンの相乗効果が見られたが, pH域Ⅰでは7Sグロブリンの単独添加の寄与が大きかった. 13品種の原料大豆の主な組成含量とpH域ⅠでのAP-SFゲルの破断荷重との相関係数は, 7Sグロブリンが0.75で最も高かった. ゲル化メカニズムの解明では, α’およびαサブユニット間でS-S結合を形成している7Sグロブリンが加熱中に他のタンパク質成分との間でS-S結合を形成し, 巨大化している可能性が示唆された.