15:30 〜 15:45
[2Kp-03] 独⾃製法より得たアルファ化⼩⻨粉と湯ごねパンから発想した新しい製パン法の提案
キーワード:湯ごねパン、加熱・せん断型臼式粉砕装置、低結晶化
【目的】本研究の目的は湯種法に代わる新しい方法で湯ごねパンの特徴を持つパンを製造することである. 湯ごねパンは通常のパンと比較して柔らかく甘味が強いことから日本を中心に人気を博している. 従来の湯種法では生地の一部を糊化させた湯種を添加する必要がある. 湯種の調整には24時間程度の時間を要するため, 湯ごねパンは生産効率が悪いという問題を抱えている. 本研究では湯種の代わりに独自製法から得たアルファ化小麦粉を使用する. 我々が独自に開発した加熱・せん断型臼式粉砕装置は, 穀物を瞬時にアルファ化させることが可能である. また, 粉砕条件を変えることで結晶化度を自由に調整することができる. 湯種の代替として利用可能なアルファ化小麦粉の結晶化度を明らかにすることで, 湯種法に代わる新たなパンの製造方法を提案する.
【方法】独自技術により結晶化度の異なる複数のアルファ化小麦粉を製造した. 通常の小麦生地にアルファ化小麦を添加し, パンを作製した. パンの発泡性を調べるために発泡率及び比容積を計算した. 湯種法で製造した湯ごねパンと発泡性の比較を行った.
【結果】製パン実験の結果より, 添加したアルファ化小麦粉の結晶化度が11.4%の時に最も高い発泡率を示した. また, アルファ化小麦粉を添加したパンは, 湯種法で製造したパンよりも高い発泡率を示した. パンの発泡率は発酵・焼成時の生地のレオロジー特性に依存する. 気泡の形成・成長過程で気泡の保持に必要な生地の硬さが異なるためである. アルファ化小麦粉の結晶化度を変えることでパンの発泡性に違いが現れた要因は, 加熱せん断処理の条件を変えることで, 糊化澱粉の量とグルテンの形成量に違いが現れたためだと考えられる. 以上の結果より, 湯種の代わりに結晶化度を10%程度に調整したアルファ化小麦粉を添加することで従来の湯種法に匹敵する製パン法を提案する.
【方法】独自技術により結晶化度の異なる複数のアルファ化小麦粉を製造した. 通常の小麦生地にアルファ化小麦を添加し, パンを作製した. パンの発泡性を調べるために発泡率及び比容積を計算した. 湯種法で製造した湯ごねパンと発泡性の比較を行った.
【結果】製パン実験の結果より, 添加したアルファ化小麦粉の結晶化度が11.4%の時に最も高い発泡率を示した. また, アルファ化小麦粉を添加したパンは, 湯種法で製造したパンよりも高い発泡率を示した. パンの発泡率は発酵・焼成時の生地のレオロジー特性に依存する. 気泡の形成・成長過程で気泡の保持に必要な生地の硬さが異なるためである. アルファ化小麦粉の結晶化度を変えることでパンの発泡性に違いが現れた要因は, 加熱せん断処理の条件を変えることで, 糊化澱粉の量とグルテンの形成量に違いが現れたためだと考えられる. 以上の結果より, 湯種の代わりに結晶化度を10%程度に調整したアルファ化小麦粉を添加することで従来の湯種法に匹敵する製パン法を提案する.