16:15 〜 16:30
[2Kp-06] 製粉条件および加水温度がグルテンフリー米粉パンの製パン性に及ぼす影響
キーワード:米粉パン、グルテンフリー、製粉条件、加水温度
【目的】グルテンフリー米粉パンの製造には,米粉の粉体特性が重要であることが明らかになっており,その製粉方法は湿式気流粉砕が適すると報告されている.しかし,湿式気流粉砕における最適な製粉条件は明らかになっていない.本研究では,製粉条件の異なる4種類の湿式気流粉砕米粉(米粉A,B,C,D)を用いて,米粉の粉体特性が製パン性に及ぼす影響について検討した.また,グルテンフリー米粉パン調製時の高温水添加によって,製パン性を向上させることが明らかになっていることから,高温水添加の影響についても検討した.
【方法】製粉時に回転数を変化させた湿式気流粉砕米粉を用いて,5℃および50~58℃ (2℃間隔)の水を添加し,パンを調製した.粉体特性評価(粒度,デンプン損傷度,水分量,脂質含量,アミロース含量,電顕観察),製パン特性評価(比容積測定,テクスチャー測定,断面観察)および物理化学的解析(糊化度測定,示差走査熱量測定,動的粘弾性測定)を行い,加水温度毎に比較を行った.
【結果】米粉A~Dは,回転数が高いほど粒度が小さく,冷水5℃を加水した場合,デンプン損傷が小さいほど比容積が大きくなった.しかし,デンプン損傷度は回転数に依存せず,米粉間での差が大きく(1.6〜4.6%),食パン2斤型で焼成した場合,パンは膨化しなかった.米粉A,B,Dでは生地量を減らし,高温水を加水した場合,冷水5℃と比較して比容積が有意に向上し(p < 0.05),柔らかくなる傾向が見られた.米粉Cはデンプン損傷度が小さく,製パンに適していたため,冷水5℃添加パンと高温水添加パンの品質に大きな差は見られなかった.動的粘弾性測定においては,5℃よりも最適加水温度の生地でtanδが大きく,粘性の寄与割合が高くなることが示された.以上のことから,製パンに適さない米粉においては,高温水添加によって製パン性を向上させることが明らかになった.
【方法】製粉時に回転数を変化させた湿式気流粉砕米粉を用いて,5℃および50~58℃ (2℃間隔)の水を添加し,パンを調製した.粉体特性評価(粒度,デンプン損傷度,水分量,脂質含量,アミロース含量,電顕観察),製パン特性評価(比容積測定,テクスチャー測定,断面観察)および物理化学的解析(糊化度測定,示差走査熱量測定,動的粘弾性測定)を行い,加水温度毎に比較を行った.
【結果】米粉A~Dは,回転数が高いほど粒度が小さく,冷水5℃を加水した場合,デンプン損傷が小さいほど比容積が大きくなった.しかし,デンプン損傷度は回転数に依存せず,米粉間での差が大きく(1.6〜4.6%),食パン2斤型で焼成した場合,パンは膨化しなかった.米粉A,B,Dでは生地量を減らし,高温水を加水した場合,冷水5℃と比較して比容積が有意に向上し(p < 0.05),柔らかくなる傾向が見られた.米粉Cはデンプン損傷度が小さく,製パンに適していたため,冷水5℃添加パンと高温水添加パンの品質に大きな差は見られなかった.動的粘弾性測定においては,5℃よりも最適加水温度の生地でtanδが大きく,粘性の寄与割合が高くなることが示された.以上のことから,製パンに適さない米粉においては,高温水添加によって製パン性を向上させることが明らかになった.