17:00 〜 17:15
[2Kp-09] 糊化調整米粉の性状解析および生地物性との関連性
キーワード:米粉、糊化、米粉パン、物性
【目的】 米粉は、生米をそのまま粉砕した一般的な米粉(以下、米粉)と、加水・加熱によって糊化させてから製粉するα粉の2 種類に大別される。米粉を用いた商品は、硬化速度が速いため保存期間が短くなる。そこでα粉を用いて硬化速度を緩慢にする方法が用いられるが、この生地は過剰な粘性・付着性によって工場をはじめ大規模での生産では利用しづらいという課題がある。これらの課題を解決するため、本研究では、米粉とα粉の間となる糊化度で調整した糊化調整米粉の性状解析および米粉パン生地物性との関連性を検討した。
【方法】 糊化調整米粉はコシヒカリを原料に以下の2つの方法、すなわち、米の水分量とホットボックス(Hb)による加熱時間を変えて糊化度を調整したHb米粉(6種類)と、エクストルーダー(Ex)の加熱温度を変えて糊化度を調整したEx米粉(4種類)を調製した。対照には市販の米粉およびα粉を用いた。 それぞれの粉体の糊化度(BAP法)、澱粉損傷度、吸水性、熱物性(DSC)、糊化特性(RVA)を分析した。また水分量を変えながらパン生地を調製し、粘弾性および付着性の測定を行った。
【結果】 Hb米粉は、原料米の水分量が高く加熱時間が長いものほど糊化度が高くなった(38.7~61.7%)。Ex米粉は、加熱温度が高いものほど糊化度が高くなった(74.6~95.1%)。澱粉損傷度は米粉の調製方法を問わず糊化度と相関が見られた。「吸水開始10 分以降の平均含水率」で示された吸水性は市販米粉よりも高く、糊化度の高い糊化調整米粉ほど高くなる傾向を示した。RVA の分析では糊化度の高い糊化調整米粉ほど最高粘度が下がる傾向を示した。生地物性では、糊化調整米粉を配合した生地で糊化度に応じて粘弾性が高くなる一方、α粉を配合した生地と比較して付着性や粘弾性が低くなる傾向を示した。
【方法】 糊化調整米粉はコシヒカリを原料に以下の2つの方法、すなわち、米の水分量とホットボックス(Hb)による加熱時間を変えて糊化度を調整したHb米粉(6種類)と、エクストルーダー(Ex)の加熱温度を変えて糊化度を調整したEx米粉(4種類)を調製した。対照には市販の米粉およびα粉を用いた。 それぞれの粉体の糊化度(BAP法)、澱粉損傷度、吸水性、熱物性(DSC)、糊化特性(RVA)を分析した。また水分量を変えながらパン生地を調製し、粘弾性および付着性の測定を行った。
【結果】 Hb米粉は、原料米の水分量が高く加熱時間が長いものほど糊化度が高くなった(38.7~61.7%)。Ex米粉は、加熱温度が高いものほど糊化度が高くなった(74.6~95.1%)。澱粉損傷度は米粉の調製方法を問わず糊化度と相関が見られた。「吸水開始10 分以降の平均含水率」で示された吸水性は市販米粉よりも高く、糊化度の高い糊化調整米粉ほど高くなる傾向を示した。RVA の分析では糊化度の高い糊化調整米粉ほど最高粘度が下がる傾向を示した。生地物性では、糊化調整米粉を配合した生地で糊化度に応じて粘弾性が高くなる一方、α粉を配合した生地と比較して付着性や粘弾性が低くなる傾向を示した。