3:00 PM - 3:15 PM
[2Np-01] Exprolaion of possibility of using ZP glycoprotein ZPD, a constituent of chicken egg coat, as a new antibacterial substance
Keywords:antibacterial substance, egg coat, ZPD, uromodulin (UMOD)
【目的】「卵膜」は卵子の細胞膜の外側を囲む繊維状の細胞外マトリックスであり, 生物種によって異なる組み合わせのZP糖タンパク質で構成されている. ZPDは鳥類の卵膜に特異的に存在するZP糖タンパク質であり, 鳥類の受精機構に特有の機能を持つと考えられている. 一方, 哺乳類の腎臓で発現し尿中に分泌されるウロモジュリン(UMOD)は, ZPDの哺乳類ホモログであり, 約29%のアミノ酸配列相同性を持つ類似したドメイン構造を有している. UMODは, その高マンノース型N-結合型糖鎖が一型繊毛大腸菌のFimHと呼ばれるタンパク質に結合して尿路上皮との結合を阻害することで, 尿路病原性細菌による尿路感染症に対する保護の働きを示す. 本研究ではZPDがUMODと同様に大腸菌に対する増殖抑制効果及び結合を示すか確認し, 新規抗菌物質としての食品や医薬品などへの応用可能性を有するか検討した.
【方法】寒天培地に大腸菌液を塗布し, 段階希釈したZPD, アンピシリンをスポットして培養することで, 大腸菌の増殖抑制効果の確認を行った. また, UMOD, 大腸菌液, ZPD, 大腸菌液+UMOD, 大腸菌液+ZPDの5パターンの懸濁液を混合したのち遠心分離し, 上清と沈殿それぞれに対する銀染色の結果を比較して, ZPDの大腸菌に対する結合を解析した.
【結果】寒天培地上の大腸菌にZPDを添加しても増殖に変化が見られなかったため, ZPDに増殖抑制効果は無いと推測された. 大腸菌とZPDの結合性を確認する実験においては, 大腸菌のみと大腸菌+ZPDを添加したサンプルのレーンにおいて検出されたバンドの数に差が見られたため, ZPDと大腸菌が結合した可能性が考えられた. 今後は差異の見られたバンドに含まれるタンパク質を質量分析や抗ZPD抗体を用いたウェスタンブロット解析などで同定し, ZPDの大腸菌に対する結合能の有無についてさらに検討する.
【方法】寒天培地に大腸菌液を塗布し, 段階希釈したZPD, アンピシリンをスポットして培養することで, 大腸菌の増殖抑制効果の確認を行った. また, UMOD, 大腸菌液, ZPD, 大腸菌液+UMOD, 大腸菌液+ZPDの5パターンの懸濁液を混合したのち遠心分離し, 上清と沈殿それぞれに対する銀染色の結果を比較して, ZPDの大腸菌に対する結合を解析した.
【結果】寒天培地上の大腸菌にZPDを添加しても増殖に変化が見られなかったため, ZPDに増殖抑制効果は無いと推測された. 大腸菌とZPDの結合性を確認する実験においては, 大腸菌のみと大腸菌+ZPDを添加したサンプルのレーンにおいて検出されたバンドの数に差が見られたため, ZPDと大腸菌が結合した可能性が考えられた. 今後は差異の見られたバンドに含まれるタンパク質を質量分析や抗ZPD抗体を用いたウェスタンブロット解析などで同定し, ZPDの大腸菌に対する結合能の有無についてさらに検討する.