日本食品科学工学会第71回大会

講演情報

一般講演

A 食品成分,食品分析(Food Ingredients, Food Analysis)

[3Da] 感性評価,官能評価

2024年8月31日(土) 09:00 〜 11:30 D会場 (3F N324)

座長:舩津 保浩(酪農学園大学)、早川 文代(農業・食品産業技術総合研究機構)、稲熊 隆博(女子栄養大学)

10:30 〜 10:45

[3Da-06] スクランブルエッグのおいしい食感の見える化~卵製品と植物性製品の比較~

*合田 真優1、横山 孝幸2、中村 卓1 (1. 明治大農・農化、2. 明治大・院・農化)

キーワード:スクランブルエッグ、食感

【目的】近年,食料・環境問題や動物愛護への意識の高まりやアレルギーやヴィーガンの人に対する食の多様化などの観点から,プラントベースフードの需要が高まっている.プラントベースフードはターゲットとした動物性食品と比較して,「おいしさ」に差異が存在しているのが現状である.中でもおいしい食感に差異がある.プラントベースフードのおいしさの差異を埋める方法論として,動物性食品「らしい」おいしい食感の再現がある.このおいしい食感は,オノマトペ等の感性食感として表現される.動物性食品の一例にスクランブルエッグがある.スクランブルエッグとは,鶏卵に牛乳や生クリームを加え半熟になるまで炒めた料理である.そのため,半熟感を示す「とろとろ」や「ふわふわ」といった感性食感が多く用いられている.しかし,これらの食感がどのようなものか明らかではない.そこで本研究は,官能評価・物性測定・構造観察より,スクランブルエッグのおいしい食感の見える化を目的とした.更に,動物性と植物性の食感の差を明らかとすることを目的とした.【方法】市販の動物性4種類(A,B,C,D)と植物性2種類(E,F)を解析した.官能評価では,CATA法と順位法を行った.物性測定では,クリープメーターとレオメーターを用いて行った.構造観察では,顕微鏡を用いた. 【結果】官能評価(CATA法)の結果,「かたさ」「粘性」の違いから4つの食感グループ(ぷりぷり・とろとろ・ほろほろ・ねっとり)に分類された.特に「ぷりぷり」は,「かたく」「粘性が低い」性質であることが分かった.物性測定の結果,粘度と官能評価の「粘性」の間に相関が,荷重と「かたさ」に相関傾向が見られた.また,スクランブルエッグのおいしい食感について,構造観察の結果も踏まえ報告する.さらに,プラントベースをよりスクランブルエッグらしい食感にするための物性・構造の特徴を考察する.