The 71th Annual Meeting of JSFST

Presentation information

Oral presentation

A 食品成分,食品分析 (Food Ingredients, Food Analysis)

[3Da] Sensibility evaluation, Organoleptic evaluation

Sat. Aug 31, 2024 9:00 AM - 11:30 AM Room D (3F N324)

Chair:Yasuhiro Funatsu, Fumiyo Hayakawa

11:00 AM - 11:15 AM

[3Da-08] Relationship Between Sensory Properties and Aromatic Components in Dairy Products with CATA method

*Masaya Komatsu1, Sadaki Asakuma1, Yasuko Ueda1, Yuka Shinoda1 (1. Hokkaido Agricultural Research Center, NARO)

Keywords:milk, organoleptic evaluation, aroma component

【目的】食品において喫食したときの官能特性が消費者の好みに及ぼす影響とその原因となる成分を解明することは,製品の品質や風味の向上に重要であると考えられるが,牛乳においては十分に検討されてこなかった.本研究では,牛乳においてターゲットとする風味プロファイルの効果的な設計を可能とするため,特徴が異なる市販乳の官能評価結果と香気成分の関係を調べることを目的とした.【方法】試料として,北海道で製造された7種の市販乳(成分無調整牛乳4種、低脂肪乳1種、高脂肪乳1種、Ca強化乳1種)を用いた. 20種の官能評価項目でCATA法による官能評価試験を実施し,続けて各試料の「好ましさ」を0から10までの整数値で採点させた.評価項目の選択確率についてCochranのQ検定およびMcNemar検定(Holm法補正)を行い,試料の「好ましさ」はTukey法による多重比較を行った.また,「好ましさ」と評価項目について、回帰分析を行った.官能評価試験に用いた試料は水蒸気蒸留法により濃縮してGC/MSにより香気成分濃度を測定し,評価項目の選択確率と成分濃度の相関係数を計算した.【結果】官能評価試験の結果より,5つの官能評価項目(“コクがある”,“キレの悪いあと味”,“うすい”,“バターのような香り”,“キャラメルのような香り”)について,試料間で選択確率に有意差が認められた(p < 0.05).これらの項目のうち,「好ましさ」には“コクがある”が正,“キレの悪いあと味”,“うすい”が負の影響を及ぼしていた(p < 0.05).さらに,乳製品の“コク”には2-decanoneやTetradecaneの濃度が正,“うすさ”にはδ-lactone類の濃度が負の有意な相関を示した(p < 0.05).本研究により,乳製品の嗜好性に影響した官能評価項目と相関の強い香気成分を見いだした.