09:45 〜 10:00
[3Ea-04] 米胚乳アルブミンの食後血糖値上昇抑制作用と性差の検討
キーワード:米タンパク質、血糖値
【目的】
近年,食生活や生活習慣の変化により,糖尿病の患者数は世界的に増大しており,その予防や治療には食後の血糖値上昇抑制が重要であるとされている.一方,近年,薬の効果に性差が生じる事例が報告されており,食品成分の機能性においても,性差の検討は重要である.当研究室ではこれまでに,米胚乳アルブミン (REA) は哺乳類のα-アミラーゼに対して阻害活性を示さないが,ラットの食後血糖値上昇を抑制することを,雄ラットを用いた検討で明らかにしている.本研究では,REAの食後血糖値上昇抑制効果の性差およびその作用機序について検討を行った.
【方法】
REAの食後血糖値上昇抑制効果の性差においては,雌雄のWistar系ラットを用いて単回投与のOGTTを行い,血糖値およびインスリン値を測定した.REAの作用機序の検討においては,REAの加水分解物を高分子ペプチドと低分子ペプチドに分画したものを用いた.高分子ペプチドについては透析膜を装着したチャンバーを用いてグルコース吸着能を評価し,低分子ペプチドについては小腸上皮由来細胞を用いてグルコーストランスポーターの発現量をウエスタンブロッティングにより測定した.
【結果】
雌雄のラットを用いたOGTTにおいて,REAは雄ラットの血糖値上昇およびインスリン分泌を有意に抑制したが,雌ラットの血糖値はコントロール群と有意な差がみられなかった.また,REAの高分子ペプチドは高いグルコース吸着能を示し,低分子ペプチドは小腸のグルコーストランスポーターの発現を抑制した.したがって,REAは糖の吸着排出を促進し,グルコーストランスポーターの発現を抑制することによって食後の血糖値上昇を穏やかにすることが示唆され,性差はこのメカニズムやホルモン分泌と関係しているものと推察される.
近年,食生活や生活習慣の変化により,糖尿病の患者数は世界的に増大しており,その予防や治療には食後の血糖値上昇抑制が重要であるとされている.一方,近年,薬の効果に性差が生じる事例が報告されており,食品成分の機能性においても,性差の検討は重要である.当研究室ではこれまでに,米胚乳アルブミン (REA) は哺乳類のα-アミラーゼに対して阻害活性を示さないが,ラットの食後血糖値上昇を抑制することを,雄ラットを用いた検討で明らかにしている.本研究では,REAの食後血糖値上昇抑制効果の性差およびその作用機序について検討を行った.
【方法】
REAの食後血糖値上昇抑制効果の性差においては,雌雄のWistar系ラットを用いて単回投与のOGTTを行い,血糖値およびインスリン値を測定した.REAの作用機序の検討においては,REAの加水分解物を高分子ペプチドと低分子ペプチドに分画したものを用いた.高分子ペプチドについては透析膜を装着したチャンバーを用いてグルコース吸着能を評価し,低分子ペプチドについては小腸上皮由来細胞を用いてグルコーストランスポーターの発現量をウエスタンブロッティングにより測定した.
【結果】
雌雄のラットを用いたOGTTにおいて,REAは雄ラットの血糖値上昇およびインスリン分泌を有意に抑制したが,雌ラットの血糖値はコントロール群と有意な差がみられなかった.また,REAの高分子ペプチドは高いグルコース吸着能を示し,低分子ペプチドは小腸のグルコーストランスポーターの発現を抑制した.したがって,REAは糖の吸着排出を促進し,グルコーストランスポーターの発現を抑制することによって食後の血糖値上昇を穏やかにすることが示唆され,性差はこのメカニズムやホルモン分泌と関係しているものと推察される.