The 71th Annual Meeting of JSFST

Presentation information

Oral presentation

D 食品工学、加工、保蔵、バイオテクノロジー (Food Engineering, Process, Storage, and Biotechnology)

[3Ka] Processing, Manufacturing technology

Sat. Aug 31, 2024 9:00 AM - 11:30 AM Room K (2F N206)

座長:松本 泰典(高知工科大学)、上野 聡(広島大学)、本同 宏成(静岡県立大学)

9:30 AM - 9:45 AM

[3Ka-03] Development of a quantitative evaluation method for the amount of polymeric substance introduced by Freeze-thaw impregnation.

*Mayuu Kanesaki1, Kenya Shibata1, Yuki Shimohisa1, Minori Sakamoto1, Kana Miyachi1 (1. HPTRI-FTRC)

Keywords:Freeze-thaw impregnation, absorbance, quantitative evaluation, phycocyanin, demulsification

【目的】演者らは,これまでに形状ある食材に酵素などの高分子物質を急速導入する「凍結含浸法」や「常圧含浸法」等を開発した.これらの含浸法による高分子物質の導入量は,導入した軟化酵素による食材の硬さの変化率で間接的に評価してきた.本研究では,食材に導入した色素を吸光度で定量する導入量評価方法を開発した.
【方法】試料は,冷凍鶏ムネ肉(2.5cm角)を解凍し,90℃のスチームコンベクションオーブンで15分間加熱したものを使用した.まず,凍結含浸法によって鶏ムネ肉試料に0.7%w/w色素水溶液を導入した.試料に等量のイオン交換水を加えて粉砕,遠心分離し,上清をろ過して紫外可視分光光度計により波長617nmにおける吸光度を測定した(実験1).次に,導入した色素量を算出するために検量線を作成した.導入処理していない試料を用いて実験1と同様に調製した上清を溶媒とし,0~0.15%w/wの色素溶液を作成して吸光度を測定した(実験2).さらに,サバについて常圧含浸法による導入量の評価を行った.サバは脂質が多く,粉砕過程で試料溶液が乳化し,吸光度測定が困難となった.そこで,加温や冷解凍,CaCl2の添加等,フィコシアニンに影響しない試料溶液の解乳化方法を検討した(実験3).
【結果】実験1,2について,色素濃度をx,吸光度をyとしたときの検量線はy = 1816x - 0.0024となり,決定係数R2は0.999であった.得られた検量線から,凍結含浸法による鶏ムネ肉試料1gあたりの色素導入量を0.047mgと算出した.また実験3について、試料粉砕時に試料重量の1~6%のCaCl2を添加することで,フィコシアニンに影響なく解乳化することができ,サバのような脂質の多い試料についても導入量評価が可能になった.以上から、常圧含浸法によるサバ試料1gあたりの色素導入量を0.088mgと算出した.