The 71th Annual Meeting of JSFST

Presentation information

Oral presentation

D 食品工学、加工、保蔵、バイオテクノロジー (Food Engineering, Process, Storage, and Biotechnology)

[3Ka] Processing, Manufacturing technology

Sat. Aug 31, 2024 9:00 AM - 11:30 AM Room K (2F N206)

座長:松本 泰典(高知工科大学)、上野 聡(広島大学)、本同 宏成(静岡県立大学)

11:00 AM - 11:15 AM

[3Ka-08] Study of Equipment for Converting Sports Drinks into Slurry Ice

*Hiroshi Arita1, Yasunori Matsumoto2, Hironori Moriyama3 (1. Graduate School of Engineering ,Kochi university of technology , 2. Kochi university of technology, 3. Kochi Prefectural Industrial Technology Center)

Keywords:Slurry Ice, Sports Drinks, Internal Body Cooling

【目的】
近年,スポーツ業界や消防などでは体内冷却が注目されている.スポーツ飲料から生成されたスラリーアイスを容易に体内に取り込むことで,効率的に深部体温の低下を達成でき,運動パフォーマンスの向上や熱中症予防につながると期待されている.研究グループではNaCl水溶液1.0wt%から氷充填率(Ice Packing Factor,以下IPF)25wt%以上のスラリーアイスを生成する構造を完成させている.スポーツ飲料の多くは1.0wt%のNaCl水溶液よりも希薄な水溶液であるためIPF25wt%以上のスラリーアイス生成方法の確立が求められている.その前段階として既存構造で希薄水溶液からのスラリーアイス生成方法の課題点と重要なパラメータの抽出を行った.
【方法】
既存の掻き取り構造を用いたワンバッチ式ジェネレーターで製氷を行い,掻き取りトルクに着目し実験を行った.実験サンプルはスポーツ飲料の主成分である糖分のスクロースを市水に溶解し,スクロース濃度を2.0~6.0°Brixの範囲で0.5°Brixずつ変化させた水溶液を用いた.冷媒温度を-10℃,-20℃において製氷を行い,5分ごとのIPFを測定した.
【結果】
冷媒温度-10℃において,2.0~3.5°Brixで製氷中の負荷トルクが急激に上昇し,その後も高いトルク値となっていた.-20℃ではすべての濃度で急激にトルクが上昇し続ける傾向が見られた.冷媒温度によらずトルク上昇に伴いIPF上昇率も低下していた.そのため,-15℃,2.0°Brixの条件で製氷を行った結果,トルク上昇を抑え高効率でIPF上昇が達成でき,トルク上昇には冷媒温度と水溶液濃度が起因することを見いだした.全ての濃度でIPF=25wt%は達成した.しかし,冷媒温度によらず5.5°Brix以下では凝集により固液分離していた.氷粒子の分散を維持した製氷構造の見極めが必要である.