日本食品科学工学会第71回大会

講演情報

一般講演

D 食品工学、加工、保蔵、バイオテクノロジー (Food Engineering, Process, Storage, and Biotechnology)

[3Ma] 食品物性

2024年8月31日(土) 09:00 〜 11:30 M会場 (2F N203)

座長:半田 明弘(東京電機大学)、赤澤 隆志(新潟大学)、八田 一(京都女子大学)

11:15 〜 11:30

[3Ma-09] パウダーレオメーターによるカルシウム強化粉乳の流動性分析

*堤 勇斗1 (1. 森永乳業株式会社)

キーワード:粉体流動性、パウダーレオメーター、脱脂粉乳、カルシウム

【目的】昨今の健康意識の高まりにより食品の栄養的価値が注目されている.炭水化物とたんぱく質を主成分とする脱脂粉乳はカルシウムの重要な供給源でもあり,栄養的価値が高い食品であると考えられている.カルシウムは骨量増加に必要な栄養素であり健康に不可欠な成分であるため消費者の摂取意欲は高く,脱脂粉乳を主原料とするカルシウムを強化した粉乳製品が販売されるケースが増加している.しかし,脱脂粉乳にカルシウム原料を粉体混合により添加する場合,流動性が変化し実製造が困難となる可能性がある.これを解決する手段を見出すことが出来れば,従来よりもカルシウムを強化した粉乳製品の開発が可能になると考えられる.
【方法】本研究では,パウダーレオメーターFT-4(以下FT-4)という測定機械を用いて,脱脂粉乳にカルシウム原料を添加した粉体の物性に関する調査を行った.粉体の流動性は粒子径や付着力など様々な要因が絡んでおり,評価は容易でないことが一般的に知られている.FT-4は,従来の測定機械ではできなかった動的な状態での粉体の流動性を調査できることが特長の1つである.そのため,より実製造に近い条件で粉体の流動性を評価することが可能となった.FT-4は,粉体中を回転するブレードが上下に移動する際にかかる垂直荷重と回転トルクを計測することで,流動性エネルギーを算出し流動性の評価を行う.ブレードの回転速度の変更や通気状態での測定など,詳細な測定条件を変更させることでさらに実製造の条件へ近づけることも可能である.
【結果】本研究により,カルシウム原料を添加することによる粉体流動性変化に関する新たな知見を得たため,報告する.