第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

医療倫理

[O139] 一般演題・口演139
医療倫理

Sun. Mar 3, 2019 9:45 AM - 10:35 AM 第11会場 (国立京都国際会館1F Room C-2)

座長:恒吉 勇男(宮崎大学医学部附属病院集中治療部)

[O139-1] 集中治療開始後に臨床倫理相談となった2例

卯津羅 雅彦1,2, 三浦 靖彦2 (1.東京慈恵会医科大学附属柏病院 救命救急センター, 2.東京慈恵会医科大学附属柏病院 臨床倫理委員会)

【背景】当院における臨床倫理に関する相談は、自己決定能力についての問題や救急搬送患者の延命治療に関するものが多かったが、今年になり、集中治療開始後に治療中断に関する臨床倫理相談があった2例を報告する。【臨床経過】症例1は、75才女性で、くも膜下出血で来院。以前から未破裂脳動脈瘤に対して、何かあった場合も手術を含む治療を希望しない意思表示があったが、発症時に家族と相談し手術を含む集中治療が開始され、その急性期治療中に家族から治療中止の申し出があり、臨床倫理相談となった。症例2は、84才男性で、てんかん重積発作で来院。以前からは配偶者と終活しており、積極的治療や延命治療は希望しない意思表示があったが、発症時に家族と相談し、抗てんかん薬投与を含む集中治療を開始したが、てんかん発作コントロール中に、脳硬膜動静脈瘻への治療も含めた全ての治療中止の申し出があり、臨床倫理相談となった。2例とも、すでに集中治療継続中である点が、現時点での延命治療の差し控えや中止に対する検討にそぐわない可能性があり、現在の治療効果判定後に再検討することの提案も含め、このような話し合いがあったことを患者家族との病状説明に加えることが提案された。【結論】集中治療室では、通常の終末期医療の差し控えや中止の問題以外に、現在進行形の集中治療に関して、臨床倫理的アドバイスを必要とする状況は発生し得るので、今後も臨床倫理コンサルテーション活動の院内での啓蒙と活動を継続していく方針である。