第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

安全・安楽

[O140] 一般演題・口演140
安全・安楽

2019年3月3日(日) 10:35 〜 11:25 第11会場 (国立京都国際会館1F Room C-2)

座長:川口 昌彦(奈良県立医科大学麻酔科)

[O140-1] ICUにおける議事窓を主体としたEffective Medical Creation(EMC)の取り組み

辻本 雄大1, 井上 聡己2, 恵川 淳二2, 三木 光範3, 西浦 聡子4, 武澤 恵理子5, 富岡 亮登3, 稲田 充代1, 川西 秀明2, 川口 昌彦5 (1.奈良県立医科大学附属病院 集中治療部, 2.奈良県立医科大学附属病院 麻酔科集中治療部, 3.同志社大学工学部インテリジェント情報工学科, 4.奈良県立医科大学附属病院 看護部, 5.一般社団法人総合デザイナー協会)

【背景】集中治療室は閉鎖空間であり、様々なモニター画像や点滴ラインなど、視覚的に不快なものが多く見られる環境にある。それ以外にも、モニターや医療機器音、排泄物や消毒薬の匂いなど人間の五感にとって不快と感じられる環境が多く存在する。当院では、2016年より患者・家族・医療者の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)及び想感を刺激することで、ストレス軽減やコミュニケーション改善による医療の質の向上を目指すEffective Medical Creation(EMC)という活動を開始した。EMCにより快適環境を提供することで、患者・家族・医療者のQOLやWell-beingの向上を目標としている。EMC活動の一つとして、集中治療室の1室をEMCコンセプトルームとして、専門デザイナーや集中治療部スタッフなど多業種で取り組んだ。疑似窓と称したモニターを設置し、季節観のある既存の景色画像や動画あるいは病院の屋上に設置した定点カメラによるライブ映像や用いて、病室の視覚的環境を調整した。【目的】医療者へのアンケートを行い、疑似窓の効果を検証することである。【方法】当院ICUの医師や看護師を対象に、5段階のリッカートスケールの選択式および自由記述式のアンケートを行った【結果】医師12名(男性9名)、看護師42名(男性8名)から回答を得た。年齢は、20-29歳25名、30-39歳22名、40-49歳6名であった。アンケート結果は、表1に示す。【結論】医療者の多くは、疑似窓に良好な反応を示している傾向がみられた。今後は患者や家族への影響についても引き続き調査をしていく予定である。
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