第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

終末期

[O144] 一般演題・口演144
終末期04

Sun. Mar 3, 2019 11:25 AM - 12:15 PM 第12会場 (国立京都国際会館5F Room 510)

座長:櫻井 裕教(東京都済生会中央病院麻酔科)

[O144-5] 院内心停止後患者におけるコードステータス変更にかかる因子の検討

谷井 梨美1, 三宅 章公2, 野々木 宏2, 藤谷 茂樹1, J-RESORT GROUP3 (1.聖マリアンナ医科大学病院 救急・集中治療部, 2.静岡県立総合病院, 3.J-RESORT GROUP)

【背景】本邦における院内心停止(IHCA)に関するデータ解析は非常に限定的であり、海外のデータベースに基づき議論されることが多い。コードステータスという概念が普及しているが、コードステータスをDNARに変更する因子についてはあまり知られていない。
【対象・方法】In-Hospital Emergency Registry in Japanに登録された2015年4月から2017年11月までの8施設348 症例のうち、年間10症例未満の施設、18才未満、退院日不明症例を除外しデータ解析を行った。コードステータスをDNARに新たに変更した群をDNAR群、変更しなかった群を非DNAR群として、2群間の比較検討を行った。
【結果】3施設、74症例を除外した5施設、274症例を検討した。DNAR群、非DNAR群は83例(30%)、191例(70%)であった。両群間で性別、ROSCの有無、心停止時初期波形に有意差はなかった。年齢は中央値80歳、74歳とDNAR群が高齢であり(p=0.01)、また入院時CPCが不良であった(p=0.015)。心疾患を有する人はDNAR群で少なかった。(p<0.01)。入院後24時間以内死亡、30日死亡、退院時死亡はいずれもDNAR群で高く、予後不良だった(p<0.01)。
【考察】DNAR群の94%が30日以内に死亡しており、より高齢、CPC不良であった。予期せぬ院内心停止の実に72%がnon shockable リズムであり、高齢、CPC不良の患者に対して、入院の段階、もしくは治療経過不良となった段階で、事前にコード決定を考慮していく必要があると考える。心疾患の存在は、治療介入の余地があることを示唆する可能性がある。
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