第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

RRS

[O149] 一般演題・口演149
RRS02

2019年3月3日(日) 08:45 〜 09:35 第14会場 (国立京都国際会館1F Room G)

座長:柳田 国夫(東京医科大学茨城医療センター)

[O149-1] 一般病棟からICU入室した患者の検討

與那覇 孝幸, 佐久田 豊, 長間 将樹, 山内 昌喜, 伊良波 禎 (沖縄医療生活協同組合 沖縄協同病院)

【目的】多くの患者は院内心停止の前に何らかのバイタルサインの異常を示すことが報告されている(Chest, 98, 1388-1392, 1990)。近年、院内心肺停止を未然に防ぐRRS(rapid response system)の普及が推奨されている。当施設は2017年よりRRSが平日の日勤帯のみ稼働しているが、RRT(rapid response team)の介入がなく一般病棟から重症化した患者の入室や院内心停止後入室がある。当施設でのRRSの在り方、一般病棟から集中治療が必要となった症例の入室背景を検討したので報告する。【方法】研究デザインは後方視的に診療録から情報取集する実態調査で、2016年6月から2018年8月の期間で術後管理目的等は除外し、予定外のICU入室患者として110例を対象とした。ICU入室となった原因とAPACHEIIscore、入室時間帯と治療内容と転帰を調査し、院内心停止患者については、心停止に至る8時間以内のバイタルサイン、また心停止発見からROSC(return of spontaneous circulation)までの時間、CPC(Cerebral Performance Categories)を調査した。【結果】ICU入室の原因となった内訳は、急性呼吸不全38例、急性心不全12例、急性腎不全8例、敗血症18例となり、院内心停止12例となった。心停止後入室患者の平均APACHEIIscore29.8となり、非心肺停止患者の平均APACHEIIscore20.8となった。入室時間帯は日勤帯56例で夜勤帯54例となり、院内心停止は12例中8例(66%)が夜勤帯の入室となった。治療内容として人工呼吸器管理が75例、CRRT37例、ECMO2例、TTM1例となった。患者の転帰の内訳は死亡61例、退院16例、転院24例、施設入所7例となり、院内心停止後の患者は死亡9例で生存3例となった。心肺停止に至った原因は、急性呼吸不全5例、心室細動3例、敗血症2例、肺塞栓1例、誤嚥窒息1例となった。心肺停止に至る8時間以内のバイタルサインは体温36.9±0.8、脈拍87.9±17.1、呼吸数25.3±8.3、収縮期血圧122.5±29.6、SpO291.3±8.9、意識変容は3人に認められ、当施設のRRS起動基準に当てはまったのは6例であった。ROSCまで15.9±10.7分となり、CPC2が1例、CPC3が1例となりCPC4が1例となった。【考察】院内心停止はマンパワー不足となる夜勤帯に66%発生しているため、24時間体制でRRSを稼働する意義があると考えられる。また、RRS起動基準で半数が該当したため、早期警告スコアの導入も有意であると考えられる。