第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

RRS

[O151] 一般演題・口演151
RRS04

2019年3月3日(日) 10:35 〜 11:35 第14会場 (国立京都国際会館1F Room G)

座長:大谷 尚也(北里大学病院集中治療センター RST・RRT室)

[O151-1] 救急科専門医・集中治療専門医がいない施設でのRapid Response Team発足

松倉 早知子, 竹端 恵子 (日本赤十字社 富山赤十字病院)

【背景】Rapid Response Team(以下、RRT)の発足の必要性が高まっていたが、救急科専門医・集中治療専門医がいない施設であり、医師の確保が課題であった。そのため、医師が確保できRRT発足された場合、速やかにRRTが有効に活用されるよう活動してきた。2018年、麻酔科医の協力を得てRRT発足、発足までの活動を報告する。
【施設紹介】許可病床数401床、二次救急指定病院、集中治療室(オープン)4床、救急科専門医・集中治療専門医はいない。急性・重症患者看護専門看護師1人、救急看護認定看護師2人、集中ケア認定看護師1人がいる。
【実践】呼吸ケアチームの活動:2010年発足、人工呼吸器装着患者だけでなく、呼吸状態の悪化等の患者のコンサルテーションを受け、対応している。人材の育成:2012年、日本救急医学会ICLS(Immediate Cardiac Life Support)コースを参考にした実技や試験を取り入れた研修(以下、院内ICLS研修)を開始した。2016年、呼吸ケアリンクナース会発足、リンクナースは、院内ICLS研修の修了者(準ずる者)かつリーダー役割を担う者とし、各部署1人配置した。「RRT立ち上げグループ」を作り、救急カートの整備(物品の整理、施設内の統一)、点検の徹底等を行った。RRT発足:企画書の作成、医療安全管理者にRRT発足の必要性を説明し、2018年2月、医療安全管委員会の承認を得た。組織図では、医療安全管委員会に位置付け、構成員は麻酔科医、急性・重症患者看護専門看護師、救急看護認定看護師とした(呼吸ケアチーム兼務)。ファーストコールは専門・認定看護師で、麻酔科医と連携して対応とした。医局会、看護師長会、呼吸ケアリンクナース会でRRTの目的、要請基準、活動内容をプレゼンテーションした。要請基準に「何か変!」、「何か心配」の懸念を入れ、要請基準とコールナンバーのポスターを作成し各部署に配布、リンクナースに広報を依頼した。
【結果】2018年2月~8月のRRT要請件数は、60件、要請者の職種は看護師59件、医師1件であった。要請理由は、敗血症性ショック、出血性ショック、酸素化悪化等であった。看護師から「困ったら、すぐ相談できる」、「要請しやすい」等の言葉が聞かれた。
【結論】呼吸ケアチームの活動を基盤とし、ファーストコールが専門・認定看護師、呼吸ケアリンクナースの活動により、看護師が要請しやすい活用されるRRTとなった。