第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

新生児・小児 研究・経験

[O160] 一般演題・口演160
新生児・小児 研究・経験01

2019年3月3日(日) 08:45 〜 09:25 第17会場 (国立京都国際会館2F Room J)

座長:中田 諭(聖路加国際大学看護学研究科)

[O160-3] 小児集中治療における身体拘束についての横断調査

池辺 諒1, 川口 敦2, 川崎 達也3, 三浦 規雅4, 松石 雄二朗5, 竹内 宗之6 (1.大阪母子医療センター 看護部, 2.オタワ大学小児病院 小児集中治療科, 3.静岡県立こども病院 小児集中治療センター, 4.東京都立小児総合医療センター 看護部, 5.筑波大学附属病院 看護部, 6.大阪母子医療センター 集中治療科)

【はじめに】臨床現場では、対象者の安全確保を主な目的に、身体拘束をせざるを得ない状況が少なからず存在する。成人救急および集中治療領域では主に精神疾患患者などを対象とし、身体拘束と二次的せん妄などとの関連や安全性等について様々な報告がなされている。しかし、小児患者を対象とした研究は散見されるのみであり、更に集中治療室等で管理される重症の小児患者に対する身体拘束についての研究報告は国内外を含めほとんど見当たらない。以上の観点から、国内の集中治療室における身体拘束に関する多施設横断調査を行うこととした。これは小児の身体拘束に関して本邦で初めての多施設横断調査である。
【目的】日本の集中治療における重症小児患者に対する身体拘束の実施率、関連因子を明らかにする。後続研究(介入研究等)における目標サンプル数計算の指標とする。不必要な身体拘束を減らし、重症小児患者に適切かつエビデンスに基づいた診療(身体拘束)を提供することを長期的な目的としている。
【実施方法】本研究は7ヶ月間(計3回のデータ収集ポイントを設定)の国内多施設集中治療室を対象とする横断研究である。患者対象は、調査実施日に参加同意を得た国内の集中治療室で管理を受ける、生後1ヶ月以上10歳未満の小児患者(入室時)とする。小児専門病院の小児集中治療室や大学病院混合集中治療室等を含む施設を広く公募する。オンラインデータ入力表(REDCap、アルバータ大学)を用いてデータ収集を行い、身体拘束の実施率等を調査する。20施設ほどの参加を予定しており、施設ごとの属性、身体拘束発生率を記述することに加え、個々の患者と関連因子を調査する。目標サンプル数は、250例としている。
【施設リクルート方法】参加施設募集は、日本集中治療医学会メーリングリストを使用し広く行う。なお、本研究は日本集中治療医学会Clinical Trial Groupへ参加施設公募許可依頼を行い、応募研究(A):認定番号27として承認済みである。
【倫理関連次項】本研究は、基幹研究施設で倫理審査承認済みである。共同研究施設での倫理審査は必須ではなく、施設判断となっている。また、基幹研究施設にてオプトアウトを実施するため、共同研究施設で研究実施の同意書取得は不要である。