[O30-1] 敗血症性ショック患者におけるAugmented Renal Clearanceの発症頻度と予測因子の検討
【背景】Augmented Renal Clearance(以下ARC)は、外傷や敗血症、そして若年者に多く発症すると言われてきた。ARCを発症すると、腎排泄型薬剤、その中でも敗血症においては抗菌薬の投与量が不足することが予測される。
【目的】ICUに入室した敗血症性ショックの患者におけるARCの発症頻度を調査する。また、ARCの発症を予測する因子を明らかにする。
【方法】2018年4月1日から2018年8月31日までにICUに入室した敗血症性ショックの患者を対象とし、敗血症性ショックはSepsis-3の定義に準じた。また、ICU入室24時間後と48時間後にクレアチニンクリアランス(以下Ccr)を実測し、そのいずれかの実測Ccrが130mL/min以上の場合をARC発症群と定義した。ARC発症予測因子を検討する目的で、ARC発症群と非発症群で年齢ならびに入院時に算出できるAPACHE IIスコアとSOFAスコアを比較した。
【結果】調査期間内にICUに入室した敗血症性ショック患者は10名で、そのうちARCを発症した患者は3名であった。平均年齢はARC発症群では73.3±4.2歳、非発症群では75.3±7.7歳であった。APACHE IIスコアはARC発症群では16.0±3.6点、非発症群では24.3±3.8点であった。また、SOFAスコアはARC発症群では5.4±2.5点、非発症群では8.4±2.5点であった。
【結論】今回の研究では、ARCの調査対象をICUに入室した敗血症性ショック患者に限定したことが特徴である。本研究において、敗血症性ショック患者でのARC発症率は30%であった。従来、ARCは若年者で生じやすいと報告されているが、本研究においてはARCを発症した症例は全て高齢者であった。APACHE IIスコアとSOFAスコアは、いずれもARC非発症群と比べ発症群において低い傾向にあった。今後はさらに症例を集積し検討していく必要がある。
【目的】ICUに入室した敗血症性ショックの患者におけるARCの発症頻度を調査する。また、ARCの発症を予測する因子を明らかにする。
【方法】2018年4月1日から2018年8月31日までにICUに入室した敗血症性ショックの患者を対象とし、敗血症性ショックはSepsis-3の定義に準じた。また、ICU入室24時間後と48時間後にクレアチニンクリアランス(以下Ccr)を実測し、そのいずれかの実測Ccrが130mL/min以上の場合をARC発症群と定義した。ARC発症予測因子を検討する目的で、ARC発症群と非発症群で年齢ならびに入院時に算出できるAPACHE IIスコアとSOFAスコアを比較した。
【結果】調査期間内にICUに入室した敗血症性ショック患者は10名で、そのうちARCを発症した患者は3名であった。平均年齢はARC発症群では73.3±4.2歳、非発症群では75.3±7.7歳であった。APACHE IIスコアはARC発症群では16.0±3.6点、非発症群では24.3±3.8点であった。また、SOFAスコアはARC発症群では5.4±2.5点、非発症群では8.4±2.5点であった。
【結論】今回の研究では、ARCの調査対象をICUに入室した敗血症性ショック患者に限定したことが特徴である。本研究において、敗血症性ショック患者でのARC発症率は30%であった。従来、ARCは若年者で生じやすいと報告されているが、本研究においてはARCを発症した症例は全て高齢者であった。APACHE IIスコアとSOFAスコアは、いずれもARC非発症群と比べ発症群において低い傾向にあった。今後はさらに症例を集積し検討していく必要がある。