第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

栄養

[O75] 一般演題・口演75
栄養04

2019年3月2日(土) 11:05 〜 11:45 第9会場 (国立京都国際会館2F Room B-2)

座長:中村 利秋(長崎労災病院 救急集中治療科)

[O75-4] 経腸栄養持続投与における血糖コントロールに配慮した栄養剤の検討 -経腸栄養プロトコルでの栄養剤の選択-

菅 智行1, 野上 光2, 新村 姿2, 池田 成美2, 篠原 美紀2, 井上 季咲2, 大澤 慶子2, 安達 朋宏3, 吉川 和秀3, 庄古 知久3 (1.東京女子医科大学東医療センター 臨床栄養部, 2.東京女子医科大学東医療センター 看護部, 3.東京女子医科大学東医療センター 救急医療科)

【背景】我々は2014年に救命救急センターにてNutrition Support Teamを発足し, 重症患者を対象とした経腸栄養プロトコルを運用, 改定を重ねてきた. 経腸栄養の投与方法は持続投与を中心として漸増法で必要栄養量を満たしていく内容である. そして, 病態別に経腸栄養剤を決定しているが, 糖尿病のある重症患者では血糖コントロールに配慮した組成のものを選択している. 栄養剤はその組成により数種類市販されているが, 持続投与下での血糖コントロールへの有用性についての報告は少ない.【目的】糖尿病のある重症患者における持続投与下での経腸栄養剤選択の有用性について調査し, 新たな栄養プロトコルに反映させることを目的とした.【方法】後ろ向き観察研究.2014年11月から2018年4月の間, 当院救命救急センターに入床し, 経腸栄養プロトコルの適応となり, 糖尿病の既往がある患者を対象とした. 経腸栄養剤の組成により「一般組成群」「糖質の質群」「糖質の量群」とし, 各群の血糖値とインスリン使用量について検討した.【結果】一般組成群:11名, 糖質の質群:47名, 糖質の量群:10名であった. 患者背景に有意差はなかった. それぞれの群の血糖値(mg/dl)はDay1:160±15/178±7/183±16mg/dl, Day2:168±14/177±7/191±15mg/dl, Day3:171±11/181±5/192±12であった. 3日間のインスリン使用量(U)はそれぞれ44±15/42±7/22±16であり, これらに有意差はなかった.【結論】新たな経腸栄養プロトコルでは, 血糖コントロールを目的として糖質の質や量に配慮した製品を選択する意義はない可能性がある.