[O99] 一般演題・口演99
補助循環 研究02

[O99-6] IABPにおける光ファイバー圧センサー付きIABを使用したWAVEアルゴリズムの有用性

上岡 晃一¹, 山田 眞由美¹, 服部 敏温¹, 中野 宏己³, 山下 淳³, 近森 大志郎³, 内野 博之^1,2 (1.東京医科大学病院 臨床工学部, 2.東京医科大学 麻酔科学分野, 3.東京医科大学 循環器内科分野)

【背景】IABの収縮拡張タイミングは、IABPの非常に重要な因子であり、マニュアル（手動設定）、またはオート（自動設定）でタイミングが調整されている。現在、オートで収縮拡張タイミングが決定する装置がほとんどのなか、適切な収縮拡張タイミングを行うためのアルゴリズムが重要となる。IABP装置AutoCAT2-WAVE（Teleflex）は、従来型IABを使用した場合、オートのIAB収縮拡張タイミングは基本的に心電図のみの解析で調整される。しかし、光ファイバー圧センサー付きIAB Lightning（東海メディカルプロダクト）を使用することで、血圧波形を利用したWAVEアルゴリズムが使用され、バルーン拡張タイミングをさらに適正化すると言われている。
【目的】収縮拡張タイミングのアルゴリズムを最大限使用できるIABを使用することで収縮拡張タイミングが変化し、有用性が確認できた症例を報告する。
【方法】IAB収縮拡張タイミングの調整にはオートパイロット（自動設定）を使用し、心電図解析のみ（予測法）と光ファイバー圧センサーを用いたWAVEアルゴリズムを使用した状態でのバルーン先端圧力波形の変化を確認した。
【結果】WAVEアルゴリズム使用時のIAB拡張タイミングは、予測法に比べRR間隔比で３～8％の変化があった。バルーン先端圧波形の確認では、より適切なタイミングへ変化が見られ、収縮タイミングの向上も確認された。光ファイバー圧センサーと通常の圧力トランスデューサでは圧力波形に位相差も確認され、不整脈に対しての追従性の向上も確認された。
【結論】光ファイバー圧センサー付きIAB を使用したWAVEアルゴリズムは、IABPを使用するにあたって、より適切な収縮拡張タイミングで作動し、IABPの効果を最大限利用できる可能性が示唆された。