[P101-1] 体温管理療法を施行した心肺停止蘇生後患者における血清NSE値の検討
【緒言】体温管理療法を施行した心肺停止蘇生後患者において、自己心拍再開後24-72時間後に採取した血清NSE(Neuron Specific Enolase)値を用いて、神経学的予後予測の有用性について検討を行った。【対象】当院ICUで2016年12月から2018年8月にかけて心肺停止蘇生後に体温管理療法を施行し、少なくとも自己心拍再開から24時間後に血清NSE値を確認することのできた28症例【方法】体温管理療法を施行した心肺停止蘇生後患者に対し、自己心拍再開から24時間後、48時間後、72時間後の血清NSE値を測定し、体温管理療法終了後の神経学的予後(Cerebral Performance Categories, CPCs)との関連性を評価した。【結果】自己心拍再開後24-72時間後のNSE値の最高値が95ng/ml以上の時、該当する16症例はすべてCPC4-5の神経学的転帰不良例であった。神経学的転帰良好例(CPC1-2)は、自己心拍再開後24-72時間後の血清NSE値に経時的低下傾向を認めた。自己心拍再開後24-72時間後のNSE値の最高値と、体温管理療法開始時の初期BIS値との間には負の相関関係がみられた。【結論】体温管理療法を施行した心肺停止蘇生後患者において、自己心拍再開から24-72時間後の血清NSE値は、神経学的予測因子として有用である。