[P101-4] 当院での院内CPA症例におけるLUCAS2使用群と用手群の比較検討
【背景】当院では院内および院外CPAに対して自動心臓マッサージシステム(以下LUCAS2)を多用しているが、LUCAS2と用手によるCPRの優劣の検討は皆無であった。【目的】院内CPAでのLUCAS2の使用状況を調査し、今後のCPRに役立てる。【方法】2016年から2年間のDrコール(当院での院内急変対応要請)症例82例のうち、CPAだった62症例を抽出。LUCAS2使用群と用手群との患者背景・自己心拍再開率(以下ROSC率)を統計学的に分析した。【結果】LUCAS2使用群34例、用手群4例、記録不備24例であった。使用群と用手群の患者背景 (年齢、性差、初期波形)に明らかな有意差は認めなかった。自己心拍再開率は使用群52.9%、用手群75%であったが、両群に明らかな有意差は認めなかった(p値:0.613)。【考察】院外での使用群と用手群を比較した研究は存在するが、本研究は院内(非外傷例)での使用群と用手群を調べた貴重な研究である。院外での比較研究と同様に、本研究でも使用群と用手群における院内のROSC率には明らかな優劣は認められなかった。ただし、CPA記録用紙の記載不十分が4割弱認められたことによる症例数の偏りや、LUCAS2使用方法の習熟度が低いという問題が浮き彫りとなった。また当院のような2次救急施設では急変時救急に対応する医療スタッフが十分に確保されていないことを考慮するとLUCAS2を活用せざるをえないのも現状であると考えられた。【結語】院内急変時対応システム(RRS)の整備は勿論のこと、蘇生記録用紙の改訂や蘇生時記録の徹底化とLUCAS2の操作習熟を図り、再度院内CPAでのLUCAS2使用群と用手群の比較検討を行う予定である。