[P11-7] 当院におけるICUの利用状況
【背景】NTT東日本 関東病院のICUはオープンICUで、患者は術後の患者と救急外来経由の患者が多くを占め、院内からの急変患者の割合は少ない。ICUは2018年4月より専属医が配置され、2019年より8床から10床へ拡大する。また手術室も2019年より10部屋から11部屋へ拡大する。【目的】ICUと手術室の増床に伴い、ICUの効率的活用と積極的利用の向上を考察した。【目的】2016年から2018年のICUの各科別のべ滞在日数、平均滞在日数、入室経路を比較・検討することでICUの効率的活用と入室患者の増加要因を考察し、積極的利用を進めるための対策を挙げる。【対象】2016年から2018年の関東病院のICU全入室患者。【結果】2016年から2018年、総のべ滞在日数は2595、2661、2554日と2017年をピークに減少していた。その中では緊急患者が、267人、323人、212人と2017年をピークに減少していた。延べ入院日数の各科別割合は1位脳外科:25%、2位心臓外科:22%、3位外科:14%、4位脳血管内科9.6%、5位呼吸器外科8.8%、6位整形外科5.8%でこれらの科だけで全体の84%以上を占有した。2016年と2018年はいずれも救急外来経由の割合が35%程度であったが、2017年は42%であった。救急車の受け入れ台数(2017年:3864台)は毎年増加していたが、救急外来経由のICU入室患者は175人、204人、105人と2017年をピークに減少していた。また在日日数が1日未満の患者数は48人、39人、120人と増加傾向がみられた。ICU入室患者の減少が著しい科は救急外来経由の心臓外科の患者と脳血管内科(血管内治療後)の患者で、どちらの科もICU滞在日数が長いため延べ滞在日数が大きく減少する原因になっていた。【結論】救急車で搬入されてICUでの治療を要する患者とICU入室日数が長期化する患者、つまり比較的重症な患者の減少がICUののべ滞在日数を減少させていると考えられた。今後軽症の患者だけではなく、重症な救急患者を積極的に受け入れることがICUの積極的利用につながると考えられた。