第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

中枢神経

[P2] 一般演題・ポスター2
中枢神経01

2019年3月1日(金) 11:00 〜 11:40 ポスター会場2 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:松岡 宏晃(群馬大学医学部附属病院集中治療部)

[P2-3] Guillain-Barre 症候群の治療経験

門野 紀子, 日外 知行, 下山 雄一郎, 日下 裕介, 梅垣 修 (大阪医科大学集中治療部)

[背景] 意識障害を伴わない急速な筋力低下を特徴とする疾患にGuillain-Barre 症候群がある。今回診断前に早期治療を開始し良好な転帰となった症例を紹介する。[臨床経過]症例 : 69歳男性。身長172 cm 体重 72 kg。 既往歴 : 無し。家族歴 : 不明。主訴 : 下肢筋力低下。脱力感が増強するため近医入院。3日後に呼吸不全、顔面神経麻痺が出現してきたため当院に紹介転院となった。来院時 : 意識清明、複視、左顔面神経麻痺、四肢筋力低下(MMT2-3)。頭部 CT 異常無し。胸部CT 肺炎像あり。項部硬直無し。心電図異常無し。血液検査で血糖192、電解質異常無し。感染に関しては白血球14.62、CRP 12.9と上昇。酸素マスク5 L で SpO2 87% であり直ちに気管内挿管人工呼吸管理となり ICU 入室。急速進行性の多発神経障害であり、Guillain-Barre 症候群を疑い、免疫グロブリン大量投与開始となる。その後徐々に酸素化、筋力改善し、入室 10日目に抜管、病棟帰室となった。転院 29 日後にGaINAc-IgG が陽性の検査結果が出た。転院 45日後に軽快退院となった。[結論]急速に進行する呼吸不全の鑑別診断として Guillain-Barre 症候群を考慮し、早期治療を行うことは重要である。