第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

血液・凝固 研究

[P94] 一般演題・ポスター94
血液・凝固 研究

2019年3月3日(日) 11:00 〜 11:40 ポスター会場12 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:山岡 正和(姫路赤十字病院)

[P94-5] 敗血症性播種性血管内凝固症候群における凝固線溶マーカーと予後との関連-8症例の検討-

十時 崇彰, 伊藤 隆史, 八島 望, 中 弁護, 政所 祐太郎, 江口 智洋, 古別府 裕明, 二木 貴弘, 安田 智嗣, 垣花 泰之 (鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 救急・集中治療医学分野)

【背景】 敗血症に播種性血管内凝固症候群 (Disseminated Intravascular Coagulation: DIC)を合併すると予後不良であることが知られている。これまで予後予測因子として、様々なマーカーが報告されているが未だ確立されたものはない。
【目的】 敗血症性DIC患者において、DIC診断項目および項目外の凝固線溶マーカーを測定し、 予後との関連を検討すること。
【方法】 対象は2016年5月から2017年3月に当院集中治療室に入室し、敗血症性DICの診断となった患者のうち、文書による同意を得られた8例。28病日における生存群(5例),死亡群(3例)に分け、急性期DICスコアを用いてDICと診断されてから24時間以内の血液を用いて、DIC診断項目(SIRS項目、血小板数、PT-INR、FDP)、DIC診断項目外の凝固マーカー(thrombin・antithrombin III complex (TAT)、prothrombin fragment 1+2 (F1+2) 、soluble fibrin (SF))、抗凝固マーカー(Antithrombin III (AT-III)、Protein C (PC)、Protein S (PS))、線溶マーカー(plasminogen activator inhibitor 1 (PAI-1)、Thrombin-activatable fibrinolysis inhibitor (総TAFI)、活性化TAFI値)を測定し、比較検討を行なった。
【結果】活性化TAFI値は死亡群において有意に高値を示し、活性化/総TAFI比も死亡群で有意に高かった(p<0.01)。その他の項目は生存群と死亡群とで有意な差を認めなかった。
【結論】 少数例での比較検討ではあるが、敗血症性DIC患者において、活性化TAFI値ならびに活性化/総TAFI比が高いことと死亡転帰との関連が認められた。多数例でのさらなる検討が必要である。