第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

シンポジウム

[SY19] シンポジウム19
集中治療における高度実践看護師の役割

2019年3月3日(日) 14:15 〜 15:45 第5会場 (国立京都国際会館1F Room D)

座長:宇都宮 明美(京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻), 鈴木 智恵子(日本医科大学付属病院看護部)

[SY19-4] クリニカルナースエデュケーター(CNE)の立場から

中村 加奈子 (聖路加国際病院 看護部)

CNEはクリニカルナースエデュケーター(CNE:Clinical Nurse Educator)の略称である。看護実践能力を教育に結び付けることができる臨床看護教育のスペシャリスト=CNEの育成を目的として、2014年度から聖路加国際大学大学院修士(博士前期)課程、看護教育学上級実践コース(CNEコース)が開講された。2016年3月にCNEコース第1期生5名が修了し、2016年度から臨床における看護教育の上級実践、および臨床に軸足を置く看護学教員として聖路加国際病院で活動している。CNEには、学習促進力、学習プログラム力、学習効果評価力、教育活動改善力、カリキュラム計画、参画力、社会性育成力、看護実践改革参画力、学問貢献・研究力の8つのコンピテンシーが期待され、看護学生から新人・若手看護師、学習の支援をする立場にある看護師と様々な段階の看護師を対象に、看護師としてシームレスに学び続ける支援を行っている。現在7名のCNEが聖路加国際病院の一般病棟に所属し、看護師長と共にスタッフ教育、EBNの推進を行っている。看護学生から新人・若手看護師に対し、基礎教育と継続教育の間をつなぎ、掛け橋となるという役割だけでなく、新人看護職員集合研修を始めとし、学習の支援をする立場にある看護職(部署内の教育担当者や実習担当者等)の育成に関する院内の教育プログラムの企画や運営など、部署に留まらず横断的な活動を実践している。また、聖路加国際大学の臨床助教として学内に赴き、演習のファシリテーターや、大学教員と共に聖路加国際病院で実施される学部実習指導を実践している。今回のシンポジウムでは、CNEが部署を超えて横断的に実践する臨床看護教育の実際について紹介させて頂く。また、“看護者に対しケアを向上させるため教育的な役割を果たす”という教育的役割を持つ高度実践看護師と横断的に活動するCNEが連携し、効果的に看護者の学習を支援した院内研修などの例を挙げて、集中治療領域で活動をしている高度実践看護師とCNEの更なる協働の可能性を検討していきたい。