第95回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

電波管理

電波管理

[50] 院内の電子カルテの電波環境測定を実施して

鈴木 祥仁, 齋藤 夏実, 守屋 賢志, 袴田 貴大, 平井 友美子 (新城市民病院 医療技術部 臨床工学課)

【目的】
2016年電波協議会より「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」が示され,電波管理が重要となっている.当院においても,医用テレメータや電子カルテなど電波を利用した医療機器・医療情報機器の導入が進み利便性が増している.一方,医療施設内で利用する電波を利用した通信の重要性が増し電波が届かないことによるトラブルが問題となっており,病院内の電波を安心して利用するための適正な電波管理が求められている.2019年度より「電波利用安全管理委員会」が設置され対応をしている.今回,病棟の電子カルテに利用する無線 LANを調査したため報告する.
【方法】
無線LAN情報収集プログラム「電波見える化システム」を利用し,周囲の無線LANアクセスポイントのSSID,Macアドレス,使用チャンネル,チャンネル混雑情報を取得する.取得したデータを外部のクラウドサーバーに送信され,そのデータから院内用無線LANの電波強度を抽出して,電波環境を調査した.
【結果】
5階病棟において,566号室のみ-85dBm以下となったが,フロア全体は良好な状態であることが確認できた.
【考察】
病院内の電子カルテを対象とした調査では,病室で電子カルテを利用するために十分な強度の電波が到達していることが確認された.ただし,一部の病室では伝送レートが低い可能性があることが確認された.今回は,短時間での測定であったが,長期間のモニタリングをおこなうことによって電波環境の時間変動を確認できるため,病室で利用する電子カルテ電波環境の健全性を評価することが可能と考える.