第97回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

COVID-19/感染防止

COVID-19/感染防止

Fri. Jun 3, 2022 10:00 AM - 10:50 AM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:一ノ渡 学(岩手医科大学)

10:20 AM - 10:30 AM

[14] 手術器具を介するプリオン病二次感染予防策の取り組み

太田 智美1, 藤島 宏美1, 中川 眞美1, 江島 豊1,2 (1.東北大学病院 材料部, 2.東北大学病院 手術部)

【背景】
「プリオン病の感染症疑いの有無に関わらず
ハイリスク手技を行った場合には,プリオン病
感染予防ガイドライン2020年に則り,洗浄滅菌
を行うこと(要約)」と厚生労働省から通達が
あったことで,二次感染予防策の取り組みをお
こなったので報告する.
【活動内容】
材料部では,ハイリスク手技実施の有無に関
わらず該当する術式で使用する可能性のある器
械はプリオン対応として取り扱うこととし,器
械の抽出を手術部に依頼した.ガイドラインで
は1.アルカリ洗浄後高圧蒸気滅菌(AC)ま
たはプラズマ滅菌(指定コース) 2.酵素洗
浄後AC18分 3.酵素洗浄後プラズマ滅菌(指
定コース)のいずれかを推奨している.1.3.
は現運用を変更する必要はないが,2.は滅菌
時間を延長するコースを新たに作成した.1.
2.3.以外のエチレンオキサイドガス滅菌の
器械に関しては確認しほぼプラズマ滅菌に移行
できたが,移行できない器械は医師と話し合い,
極力使用しない,やむなく使用する場合は患者・
家族に説明し同意を得ることとした.また,履
歴管理システム上で,プリオン対応の器械には
フラグを付け管理することにし,指定の洗浄滅
菌方法に限定し再登録した.洗浄滅菌時には器
械のバーコードを読込み登録をおこなうが,指
定以外の方法を選択した場合には,アラートが
表示されるように設定し,目視でも区別できる
ように2.のバーコードは赤に変更した.
【考察】
医師と話し合いを持ったことでプリオン対
応不可能な器械の運用方法を決定することがで
きた.2.の導入により器械の劣化や滅菌時間
の延長による勤務時間への影響も考えられた
が,現在のところ影響は見られない.システム
でプリオン対応器械にフラグを付けたことで,
システム管理者の変更時にも,継続して安全な
管理がおこなえると考えられる.また,滅菌方
法をバーコードの色で区別したこと,洗浄滅菌
方法の間違いに気がつけるシステムを設定した
ことで,変更に伴う混乱や間違いも見られてい
ない.