第97回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

手術室

手術室

2022年6月3日(金) 09:00 〜 09:50 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:谷口 雄司(鳥取大学)

09:30 〜 09:40

[26] 電気メス起因による5Hz 帯ノイズが生体情報モニタに混入した事例検証

白前 達大1, 中村 博一1, 寺村 郁哉1, 世古 忠士1, 福永 旭宏1, 伊藤 和徳1, 出口 勝博1, 松月 正樹2 (1.三重県立総合医療センター 臨床工学室, 2.三重大学医学部附属病院 臨床工学部)

【背景と目的】
高周波焼灼電源装置(電気メス)を未使用時
に心電図波形が洞調律から心房粗動のような波
形に変化し,対極板を外すと洞調律に戻る事例
を経験した.ノイズ混入を疑い,後日波形解析
にて5Hz帯の波形を検出した.今回,電気メ
ス起因を疑うノイズが生体情報モニタに混入し
た事例の検証をおこなった.
【方法】
対象機器は,電気メス:UES-40S(オリンパ
ス社),生体情報モニタ:FCL-2000(フクダ電
子)および対極板:シュアフィット(日本メディ
カルネクスト社)を使用した.電気メスは事例
で使用した装置ではなく同機種の代替機を用い
た.測定方法は,四肢誘導から外した位置に対
極板を貼る方法(対照:A法)と四肢誘導間に
対極板を貼る方法(事例:B法)において各四
肢誘導へのノイズ混入の有無を検証した.
【結果】
A法はノイズ混入を認めず,B法では2と3
誘導にノイズが混入した.
【考察】
電気メスは熱傷対策として対極板の接触抵
抗モニタが搭載されている.周波数帯は約30
~ 100kHz間を使用しているが,各社条件が異
なっておりUES-40Sにおいては提示されていな
い.生体情報モニタの周波数フィルタは1~
10Hz間で適応できないため5Hzが混入してし
まう条件下であったと考える.生体情報モニタ
の心電図にて,対極板に干渉しにくい1誘導の
みノイズが混入しなかったことからノイズの原
因が対極板起因であることが示唆された.
【結語】
本検証で対極板の接触抵抗モニタ起因の5
Hz帯ノイズが混入した.ノイズ発生の要因と
して対極板の装着位置により電極へ影響を与え
る可能性が示された.