14:50 〜 15:00
[6] ME 機器の時刻誤差における影響要因分析 (第2報)
【背景・目的】
われわれは医療機器学Vol.88,No.1で,ME
機器の時刻誤差の実績値データからクラスター
分析を含む統計解析をおこない,分析結果の一
部を考慮した当施設における対応策を報告し
た.第94回学術大会の報告においては,ME機
器の時刻誤差を及ぼすと考えられる影響要因と
して,使用・保存環境の温湿度変化とディフィ
ブリレータの放電点検による高圧大電流に着目
したが,直接的な影響は明確に見出せなかった.
本研究の目的は,後者の先行研究を精査し,医
療機器安全管理責任者の観点から,ME機器の
適正な時刻管理のあり方を検討した.
【方法】
ディフィブリレータの放電点検による高圧
大電流が時刻誤差に関与しているかを検証し
た.研究対象は,当施設が保有しているディフィ
ブリレータ7台(TEC-5600シリーズ,日本光
電社製)とした.測定項目は,内部・外部放
電点検による14段階(2,3,5,7,10,15,
20,30,50,70,100,150,200,270J) の出
力エネルギーとした.
【結果】
内部・外部放電点検ともに,高圧大電流の影
響による時刻誤差は,すべて0秒であった.相
関分析により,内部・外部放電点検による出力
エネルギーと時刻誤差には関連性がないことが
認められた.
【考察】
時刻誤差を及ぼす影響要因の1つとして考
えられるディフィブリレータの放電点検につい
て精査したところ,今回のリスク分析では高圧
大電流の影響がないという有用な知見が得られ
た.サンプル数を増やして分析する必要がある
が,本研究の結果は当施設での管理方針の判断
材料になるであろう.すなわち,医療機器学
Vol.88,No.1で述べた「ME機器の時刻誤差は,
経験的に言われる電子機器の耐用期間6年を境
に壁があり,重点的な保守管理や機器の更新が
必要である」は,信憑性が高く1つの指標とな
ることが示唆される.さらに,時刻誤差に係る
調査,把握を進め,有効性と安全性を科学的な
リスク分析により評価することが今後の研究課
題である.
われわれは医療機器学Vol.88,No.1で,ME
機器の時刻誤差の実績値データからクラスター
分析を含む統計解析をおこない,分析結果の一
部を考慮した当施設における対応策を報告し
た.第94回学術大会の報告においては,ME機
器の時刻誤差を及ぼすと考えられる影響要因と
して,使用・保存環境の温湿度変化とディフィ
ブリレータの放電点検による高圧大電流に着目
したが,直接的な影響は明確に見出せなかった.
本研究の目的は,後者の先行研究を精査し,医
療機器安全管理責任者の観点から,ME機器の
適正な時刻管理のあり方を検討した.
【方法】
ディフィブリレータの放電点検による高圧
大電流が時刻誤差に関与しているかを検証し
た.研究対象は,当施設が保有しているディフィ
ブリレータ7台(TEC-5600シリーズ,日本光
電社製)とした.測定項目は,内部・外部放
電点検による14段階(2,3,5,7,10,15,
20,30,50,70,100,150,200,270J) の出
力エネルギーとした.
【結果】
内部・外部放電点検ともに,高圧大電流の影
響による時刻誤差は,すべて0秒であった.相
関分析により,内部・外部放電点検による出力
エネルギーと時刻誤差には関連性がないことが
認められた.
【考察】
時刻誤差を及ぼす影響要因の1つとして考
えられるディフィブリレータの放電点検につい
て精査したところ,今回のリスク分析では高圧
大電流の影響がないという有用な知見が得られ
た.サンプル数を増やして分析する必要がある
が,本研究の結果は当施設での管理方針の判断
材料になるであろう.すなわち,医療機器学
Vol.88,No.1で述べた「ME機器の時刻誤差は,
経験的に言われる電子機器の耐用期間6年を境
に壁があり,重点的な保守管理や機器の更新が
必要である」は,信憑性が高く1つの指標とな
ることが示唆される.さらに,時刻誤差に係る
調査,把握を進め,有効性と安全性を科学的な
リスク分析により評価することが今後の研究課
題である.