第97回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療機器管理

医療機器管理2

2022年6月4日(土) 09:00 〜 10:10 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:野川 悟史(昭和大学藤が丘病院)

09:30 〜 09:40

[66] 臨産連携によるクラウド型医療機器管理システムの開発

渡邉 研人1, 柴田 大輝1, 加藤 彩夏1, 佐藤 諒1, 丸山 航平1, 石丸 裕美1, 冨樫 紀季1, 御厨 翔太1, 大塚 隆浩1, 阿部 祥子1, 中井 歩1, 田村 光希2, 高澤 賢次3 (1.独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター 臨床工学部, 2.HITOTSU ㈱, 3.独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター 心臓血管外科)

【背景】
医療機器マネジメントは,日々の点検業務の
みならず,監査や機能評価で求められる法的要
件を満たすための記録も含まれ,これらを確実
なものとするには医療機器管理システムが欠か
せない.当院では紙主体の非効率な医療機器マ
ネジメントから脱却すべく,自作の医療機器管
理システムを用いて業務を構築している.しか
し,自作システムであるが故にシステム保守が
個人のスキルに依存してしまうことやトラブル
時の対応等,組織運営上の新たな課題が浮上し
ていた.
【共同開発】
様々な課題に直面し,対応に苦慮していたと
ころ,HITOTSU㈱と出会った.HITOTSU㈱
は,臨床工学技士がCEOを務め,医療業界に
おけるDX(デジタルトランスフォーメーショ
ン)を実現するためのサービスを開発している
企業である.共通の課題認識を持つ臨床工学技
士兼CEOに共感し,当院東京山手メディカル
センターとHITOTSU㈱とで共同開発契約を結
び,医療機器管理システムの共同開発をスター
トさせた.
【システム上市】
共同開発ミーティングを重ね,2021年11月に
医療機器一元管理システム「HITOTSU」を上
市した.病院側の初期投資を極力抑えられるよ
うにシステムはクラウドで構築し,PCに限ら
ずスマホやタブレットからのアクセスを可能と
した.また,ユニバーサルデザインを採用する
ことで,日々忙しい臨床業務をおこなうスタッ
フが扱いやすいユーザインターフェイスを実現
した.共同開発は継続しており,さらなる利便
性の向上を図るべく,順次アプリケーションの
アップデートを実施予定である.
【結語】
クラウド型医療機器管理システムを臨産連
携により開発・上市した.現在,HITOTSU㈱は,
さらなる利便性を求めたシステム改善に取り組
んでおり,協力施設を募集している(https://
lp.hitotsu.life).今後も医療現場で課題に直面
している医療従事者の方々と共に,臨産連携を
通して解決策を模索していきたい.