11:26 〜 11:38
[シンポジウム1] 保守管理の往古来今
高度医療をおこなうには検査機器、治療機器などの医療機器は必要不可欠である。1970年代頃の手術室には麻酔器や電気手術器は使用されていたが、心電図監視装置は今の大型冷蔵庫位の大きさで実用性はなかった。70年代後半になって移動型の心電図監視装置が開発されるもブラウン管に映し出される波形は残光性で点が発光しながら掃引されていただけであった。波形はすぐに消え一心拍分の波形を観察することは至難の業であった。心拍数はアナログメータの針が60近傍を示せば心拍約60と麻酔チャート紙に記録していた。R波同期音量は可変できたが、警報音機能はない。心拍数の異常はメータ内に小さな指示棒が2つあり、これを上限、下限をセットし針が範囲を超えたと目視で判断していた。また心電図監視装置は雑音対策とは無縁であり電気メスを使用すると波形が消失しブラウン管に映るまでに1分以上は掛かっていた。それでも電気メスは躊躇することなく使用され、麻酔科医は復帰の速いR波同期音を頼りに全身麻酔管理をおこなっていた。
心電図監視装置の保守点検は記録紙、電極用ペーストを補充するだけ。当時は全身麻酔をかけるも全症例に心電図監視装置を装着できるほど台数確保はできていなかった。心電図監視装置がない時にはドップラーを胸部に貼り心音で心拍数として記録していた。それでも医療事故はなく何ら手術は問題なく執刀できていた古き良き時代であった。
最近のベッドサイドモニタは全てにおいて高機能である。カラー画面でタッチパネルは当たり前、 Wi-Fi環境が整えば広範囲で使用できる。これは心電図モニタに限ったことではなく医療機器は全てにおいて小型化、高性能になっている。現状では医療機器のトラブルを誘発するのは扱い方や使用環境などが原因となりトラブルになることが多い。近年、医療機器そのものが故障することは稀である。保守予防には利用者の教育も重要な項目であると思われる。
心電図監視装置の保守点検は記録紙、電極用ペーストを補充するだけ。当時は全身麻酔をかけるも全症例に心電図監視装置を装着できるほど台数確保はできていなかった。心電図監視装置がない時にはドップラーを胸部に貼り心音で心拍数として記録していた。それでも医療事故はなく何ら手術は問題なく執刀できていた古き良き時代であった。
最近のベッドサイドモニタは全てにおいて高機能である。カラー画面でタッチパネルは当たり前、 Wi-Fi環境が整えば広範囲で使用できる。これは心電図モニタに限ったことではなく医療機器は全てにおいて小型化、高性能になっている。現状では医療機器のトラブルを誘発するのは扱い方や使用環境などが原因となりトラブルになることが多い。近年、医療機器そのものが故障することは稀である。保守予防には利用者の教育も重要な項目であると思われる。