第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

技術開発/改良

技術開発/改良

2024年6月22日(土) 14:00 〜 15:00 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:中島 章夫(杏林大学)

14:50 〜 15:00

[120] 眠りの自動運転による睡眠改善効果の検証

塩貝 有里, 木暮 貴政, 坂本 郁男 (㈱パラマウントベッド睡眠研究所)

【目的】
仰臥位では横隔膜が圧迫されて呼吸がしにくくなるため,就寝時にベッドの背を上げることで圧迫が緩和されて入眠しやすくなることがある.就寝時に設定した角度に調整でき,付属の睡眠センサで寝付いたことを検出してしばらくすると自動で時間をかけて背を下げる(入眠の自動運転)電動ベッドを当社で販売している.この自動運転機能が睡眠に与える効果を使用者の睡眠データを用いて検討した.
【方法】
自動運転機能のある電動ベッド使用者のうち,睡眠データが2019年から2022年までの期間で1年以上蓄積されており,データの提供に同意している使用者882名(男性:523名,女性: 353名,その他:6名,56.2±13.1歳)を対象とした.入眠の自動運転機能の使用率によって,(1)1年間で平均して週6日以上使用していた群279名,(2)週1日未満しか使用していなかった群55名,(3)週1日以上6日未満使用していた群(その他)548名の3群に分け,自動運転機能使用率別の睡眠指標(日次スコア・週次スコア・寝つき時間)の1年間の推移を解析した.日次スコアは夜間睡眠から,週次スコアは夜間睡眠と日中の過ごし方や睡眠の規則性などから独自の方法でスコア化されアプリで自動的に算出される.
【結果】
寝つき時間(分)は,週6日以上,その他の群で2ヶ月後・6ヶ月後・12 ヶ月後に有意に短縮していた(週6日以上:17.8,17.2,16.7, 16.6,その他の群:17.9,17.4,17.2,16.3).週 1日未満の群は12 ヶ月後のみ有意に短縮していた(18.9,20.0,19.7,17.5). 入眠の自動運転の使用頻度別の解析では,週6日以上使用している群が最も日次スコアが高く,3群全て 2ヶ月後にスコアが有意に上昇していた.
【考察】
入眠の自動運転機能の使用頻度で寝つき時間の1年間の変化が異なる可能性が示唆された.