第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療安全対策

医療安全対策2

2024年6月22日(土) 15:10 〜 16:00 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:加藤 信彦(北海道情報大学)

15:30 〜 15:40

[123] 当院における ECMO 点検項目の見直し

片岡 祐美, 弘田 一世, 加藤 知子, 太田 雅文 (医療法人徳洲会宇治徳洲会病院 臨床工学科)

【背景・目的】
当院はテルモ社製キャピオックス遠心ポンプコントローラー SP-200(以下NEO)を3台保有しており,ECMO導入時,駆動時は臨床工学技士(以下CE)が作成した点検用紙を用いて,遠心ポンプや人工肺の異常等がないか点検をおこなっている.駆動時点検は主に心臓カテーテル業務に従事しているCEが担当している.今回,ECMO導入6日目にCEが偶然 NEOの気泡検出アラームがOFFとなっていることを発見したインシデントに対して,CE内でP-mSHELLを用いて分析をおこなった.
【結果】
NEO納品時の初期設定を確認するため,定期点検項目の見直しをおこなった.また,駆動点検時に気泡検出アラームの設定に関しては,駆動時点検表に気泡検出アラームのON / OFFの項目を追加した.
【考察・展望】
P-mSHELLの分析結果から,補助循環装置の扱いに慣れていないことが原因で起こるヒューマンエラーなど,新たな視点や改善点を発見することができたと考える.今回のインシデントを発見したのは普段手術室に従事しているCEで,体外循環業務には長けていた.そのため,気泡アラームがOFFとなっていることを発見することができたと予想される.NEOの機能については部署内で勉強会を開催する予定としている.また,NEO以外の機器に関してもアラームの設定等の見直しを検討中である.
【結語】
当院で起こったインシデントを元に,駆動時点検表および定期点検表の項目の見直しをおこなった.機器の初期設定や点検項目を見直すことで,インシデントやアクシデントの減少につながると考える.今後も医療機器を通して安全な医療の提供をおこなっていきたい.