第99回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療機器管理

医療機器管理2

Sat. Jun 22, 2024 3:20 PM - 4:30 PM 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:藤原 道隆(名古屋大学)

3:20 PM - 3:30 PM

[95] 当院における ME 機器管理教育の問題点

佐藤 貴彦1, 宗万 孝次1, 松本 紗季1, 成田 孝行1, 定岡 龍輝1, 南谷 克明1, 林 達哉2, 平田 哲3 (1.旭川医科大学病院 診療技術部臨床工学技術部門, 2.旭川医科大学病院 手術部, 3.旭川医科大学病院・名誉教授)

【はじめに】
当院では24名の臨床工学技士(以下CE)が所属し,CEセンター専従は1~3名/日となっており医療機器は中央管理をおこなっている.しかし,修理完了で返却されたが事象が改善していない,点検済みであるが外装に明らかな汚れが残っている,機器管理システム上の入力手順に誤りがあり貸出入力ができないなどのトラブルが頻発した.そのため,Bloomの3教育評価に基づき,教育体制に関して評価・検討したため報告する.
【方法】
当院所属のCE経験年数1~ 10年目までの14名を対象とした.最も頻度の多い輸液ポンプ・シリンジポンプの返却時点検の点検手技(8項目)について診断的評価を実施.結果から教育方針を見直し今後の形成的評価・総括的評価へとつなげていく.
【結果】
診断的評価の結果,手技を完全に習得しているCEは0名であった.正しい手技,および点検の目的を伝えたところ,「聞いたことがない」「初めて聞いた」という意見が複数あり,教育体制の問題点が浮き彫りとなった.
【考察】
当院では全ての業務をローテーションにておこなっており,新人教育に関しては,透析や手術室などの業務が優先される.機器点検業務に関してはその合間におこなわれ,比較的早く教育が終了となる.教育に用いられるマニュアルも古く,ポイントなどは口頭での指導となり,伝え忘れや思い込みでの教育がなされている点が垣間見えた.今回,BloomのMastery learning理論にて提唱されている,診断的評価を実施し,問題点が明確に把握できた.そこから問題点を踏まえマニュアル改定,新たに作業手順書を作成し運用,今後,形成的評価をおこない修正していく必要がある.
【結語】
スタッフの点検手順に関して,3教育評価に基づき確認をおこない,浮き彫りとなった問題点をマニュアルに反映させ改定をおこなった.